『出口のない海』に続く佐々部清監督の最新作『結婚しようよ』が11月6日にクランクインした。全編に吉田拓郎の曲が流れる映画を作りたいという佐々部監督の30年越しの夢が実現した本作は、三宅裕司さん主演のハートフルなコメディータッチのホームドラマだ。                        

この日に行なわれたのは、三宅さん演じる香取卓の長女詩織(AYAKO・中ノ森バンド)が初ライブで吉田拓郎の『風になりたい』を熱唱し、そこに父親と母親が訪れるというシーンの撮影。中ノ森BANDのみなさんは入念なテストを行い、いざ本番!撮影はスタッフ、キャストがキビキビと動き、快調に進んでいた。

また、この日は集まった三宅裕司さん、真野響子さんをはじめとするキャスト、佐々部監督が取材に応じてくれた。
香取卓役の三宅さんは、「拓郎さんの歌を心の支えにして青春時代を過ごした人たちにはたまらない映画だと思いますが、そういう方だけではなくて団塊の世代の高度成長期に日本を支えてきたお父さんたち、家庭を守るために一生懸命働いてきたお父さんたちにとっては、本当に胸が熱くなる作品だと思います。コメディータッチでありながら、随所にグッとくる、そういう作品になると思いますので、是非ともたくさんの方たちに親子そろって見て頂きたいなと。特に娘さんを持っているお父さん、絶対見に来てください!そういうお父さんたちと肩を組んでこれからの日本を大きくしていきたい、そういう映画です。」と熱く語った。
卓の妻、幸子を演じた真野さんは、「お母さんにも是非みて頂きたくて。全ての女性、働く女性、全ての女性が私に共感すると思いますので。」と話した。
メガホンを取る佐々部監督は、「半落ち以降、泣ける映画の監督と言われていまして、今回監督生命をかけて、笑えて泣ける映画をトライして、今まで撮ったことのないカットや、やってもらったことの芝居ばっかりやっているんで不安だったんですが、ラッシュを見ているうちに名作のにおいがするぞと手ごたえを掴んでいます。」と話し、監督にとって神様の存在のような吉田拓郎の楽曲については「わりと今ある曲よりは、相当メッセージ性強いんですけど、そうじゃなことを20代でさらっと文学的なことを言えちゃっているのに感動していて、僕の演出や編集や足りないところを拓郎さんの音楽で補強できる」と音楽のすごさを再度実感したという。

音楽の魅力が満載で三宅さんいわく「少子化対策」にもなる『結婚しようよ』の公開は、来年秋の予定、どんな楽しい映画に仕上がるのか完成が待ち遠しい一本だ。
(M.NIBE)