『クロッシング・ザ・ブリッジ』ティーチ・イン試写会&イベント
トルコ発“オルタナ・エキゾ”ミュージックが溢れ出す、魅惑の音楽ロードムービー!!
ファティ・アキン監督による、イスタンブールの音楽ドキュメンタリー映画『クロッシング・ザ・ブリッジ』の公開に先駆けて11/27(月)に本作の主人公である、ノイバウテンのアレキサンダー・ハッケによるティーチ・イン試写会&ハッケによる、音と映像を融合させた電子マルチメディアパフォーマンスが、ドイツ文化センターにて行われました。
■ティーチン
Q:ハッケさんは、監督の前作「愛より強く」でも音楽を担当されていたと思いますが、どういったきっかけでファティ・アキン監督とお知り合いになったのでしょうか?また、監督はどんな人かを教えてください。
A:実はハンブルクでよく遊んでいる仲間だったんだ。飲みに行ったり、一緒にクラブでDJをやったりね。監督はいろいろな人とコミュニケーションがとてもうまくとれる人だ。音楽のセンスはピカイチだし、これからもいい作品を撮っていく人だと思う。
Q:イスタンブールの音楽シーンを撮ろうと思ったきっかけとかを監督から聞いたりしてますか?
A:この映画を撮ることは、監督にとって長年の夢だったんだ。だけどスポンサーが集まらず今まで撮れなかったのだが、前作の成功を経て協力してくれる企業が名乗りを上げたので出来た作品だ。イスタンブールは東西の文化が混ざり合っていて、そのエネルギーとそこに住んでいるアーティストのパッションを追及したいと前から思っていたそうだ。
Q:西洋音楽をやり続けられているハッケさんにとって、この撮影時はどんな風に感じたんですか?
A:機材をどのように使うかとか、レコーディングのアイデアはすべてノイバウテンの経験で問題なくこなせた。ただ、経験したことのないような場所や音楽のレコーディングは、ノイバウテン的な感覚を感じたんだ。バンドもそうなんだが、僕自身がいろいろなものが衝突して新しいものが生まれるという考えが好きなんだ。今だって、ドイツ人の僕が日本でイスタンブールの音楽の魅力を語っているとかね(笑)。また、トルコリズムは8分の9拍子という、我々にとっては複雑なリズムだということ。以前からこのことは知っていたが、その時は頭で理解しないと演奏が出来ないと思い、敬遠していた。たが、今回の撮影を通して分かったことは、トルコの人たちはそのリズムを頭で理解して演奏したり踊ったりするのではなく、皆、踊ったりすることによって体で覚えて自然に学んでいるということ。なんでもやってみると出来るもんだよ。
Q:アメリカの音楽と違って、イスタンブールの音楽ではヤクや暴力を煽ったりしないというのに感銘を受けましたが、トルコのどこでも同じような感じなんでしょうか?どんな様子だったのかを教えてください。
A:イスタンブールという街はトルコの中でも独特なんだ。実は僕はトルコ人がトルコ以外で一番多く住むという地域で育ったんだ。ただ、ドイツのトルコ人とイスタンブールのトルコ人とはだいぶ違う。ドイツのトルコ人はアメリカの影響を多大に受けていて、アグレッシブでラフでHIPHOP系のギャングスターっぽい雰囲気を出している。一方、イスタンブールで出会った若者は、一見HIPHOP系でもすごく優しくて、温かかった。それが一番驚いた。歩き方を見るだけでドイツ系かイスタンブール系か分かるくらいだ。ドイツ系はガツガツした怖い歩き方をするからね(笑)。
Q:ハッケさんの今後の予定を教えてください。
A:現在ノイバウテンはレコード会社を経由せず、インターネット上のサポーターシステムにより活動しているんだ。面白いシステムだから、是非WEBサイトを見て欲しい。 http://www.neubauten.org/ 帰国後すぐに3枚目のアルバムのレコーディングに入る予定だ。個人としては、最近色んな人とコラボして音と映像が一体化したライブパフォーマンスを収録したDVDを発売したんだ。これからも様々なジャンルを混ぜて新しいものを作り出すということを続けていこうと思う。
2007年春、シアターN渋谷にてエキゾチックにロードショー!!