11月18日、新宿テアトルシネマにおいて『PET BOX 一億の猫』の初日舞台挨拶が行われた。舞台挨拶には今作が劇場公開作初監督となる人気お笑いコンビ「キャイーン」の天野ひろゆき、三姉妹を演じた純名りさ、宮本真希、吉井怜、そして天野の相方のウド鈴木がまず登壇!そして、当日急遽出演が決まったという哀川翔の登場、とアナウンスされ客席はどよめいた。客席後方から一人のサングラスをかけたスーツ姿の男が現れ、舞台上にあがり「こんにちは、哀川翔です。」とお馴染みの声で挨拶する。
しかし、観客のリアクションは「??」である。よく見ると何かが違う…。哀川翔と比べて幾分小柄で、顔もふっくらしている気が…。別人であった…。というのもこの人、キャイーンと同じ事務所に所属している哀川翔のものまねを得意とする「田中君」であった…。観客は偽者ということにがっくり。しかし、ここで本物の哀川翔の登場!!偽者とは明らかにオーラの異なる哀川翔の佇まいに観客はおおいにわき立った!何でも哀川は昼の情報番組「王様のブランチ」でこの舞台挨拶を知り、急遽出演することにしたという。登場の仕方、出演の理由など何から何まで「兄貴」であり、破天荒であった。

『PET BOX』とはペットを巡る様々な人間模様を、ベテランから新鋭監督まで豪華な顔ぶれの6人の監督たちがそれぞれに中篇映画を作りそれをまとめてひとつの作品としたもの。天野監督以外には、『解夏』や『雨鱒の川』の名匠、磯村一路監督、『MOON CHILD』、『ユダ』の瀬々敬久監督などなど有力、有望な監督ばかりが揃った。

この『一億の猫』は、遺書に父の莫大な遺産がすべてペットである愛猫に譲られると記されていたことから、遺された三姉妹が遺産をものにしようと壮絶なバトルを繰り広げる。果たして誰が犯人で誰が味方なのか、というサスペンスタッチのストーリーとなっている。

俳優陣の純名りさ、宮本真希、吉井怜、は天野の監督ぶりを「立派な監督ぶりでした。現場では常に笑顔で楽しい現場にしてくださりました。監督というのが一番大変で、ハードなのに細かい心配りも欠かすことなく俳優としてはとてもやりやすかったです。また、監督は寝る間もないようなスケジュールなのにきちんとシャワーを浴びて撮影に来ていました(笑)」と賛辞を送った。哀川は「天野君は監督としての才能がある。本当にやりやすい現場だった。演出もすごかった。本当に頑張ったと思います。」とべた褒め。

肝心の天野はというと「初めて監督というものをやらせて頂いて、難しさを思い知りました。俳優さんたちには余計な迷惑はかけたくない、という気持ちが強かったですね」と答えた。さらに、主演の三姉妹の顔立ちが似ていることを指摘されると「僕がキャスティングしたのですが、そういった顔立ちが僕の好みということですね(笑)。撮影中も何かあるかもしれない、とシャワーを浴びて勝負パンツで臨みました(笑)」と楽しく話した。最後に「この作品は日本人の気質や家族の問題などを描いた作品です。ぜひ皆さんもこの家族の一員になったつもりで、誰が犯人かとか推理しながら観てみてください!」と締めくくった。お笑いとは異なる天野監督の一面がみられること請け合いです!

(oki)