11月19日、本年度のヴェネチア国際映画祭に出品、絶賛を浴びた黒沢清監督の新作『叫(さけび)』が東京フィルメックスにて特別招待作品として上映され、黒沢監督と主演の役所広司さんが登壇した。

今まで数々の作品で幽霊を登場させ、今作でも新しいアプローチに挑戦。また役所さんとのコンビを組むのが7作品目となる黒沢監督は、「幽霊ファンにも役所広司ファンにも楽しんで頂きたいと思います。」と挨拶。
続発する殺人事件を追い詰めるうちに謎に引き込まれる刑事・吉岡を演じた役所さんは「ただのホラーではなく、黒沢監督らしい映画です。」と話し、「現場はいつも通り静かな雰囲気の中、僕の叫び声だけが響いていました」と撮影を振り返った。

三年半ぶりにスクリーンに復帰した幽霊役の葉月里緒菜にも注目したいところ。黒沢監督は幽霊というのは一種の人間、人間のまま演じてほしいと依頼し、彼女の新しい一面を導き出した。「本人は意識していないが、目が妖気を漂わせていました」

——7作目となるコラボレーションでの変化は?
黒沢監督:大きな変化はありません。ご一緒する度に役所さんも年を取ってきて、同じような役のようで、円熟というか深まりを感じます。

——固い信頼関係で結ばれた二人はお互いの魅力は?
黒沢監督:「(役所さんは、)持って生まれた誠実さ、どんな役をやっても疑いのない所が最大の魅力で、どんな役でも信頼できます。」「
役所:「映画を見て、あれ何だったんだろう?ああじゃないか、こうじゃないかと考えさせられる。底知れない魅力があります。これからも定期的に参加していきたいと思います。」
(M.NIBE)