11月11日六本木シネマートで、女性の心と体の官能を伝える映画「TANNKA 短歌」の初日舞台挨拶に加えて、イメージアートコンテストの結果発表も行われた。これは「TANNKA 短歌」の予告編と資料を見た学生が描いた絵画を登壇者の4人で観賞し、優秀賞(TANNKA賞)を決めるというものだ。4人の満場一致でTANNKA賞に輝いたピンクの鮮やかな絵画の前で取材は行われた。

現れたのは本作初主演の黒谷友香(以下黒谷)、
刺激的な年下の彼氏を熱演した黄川田将也(以下黄川田)、
本作の脚本と初監督をこなした阿木燿子(以下阿木)、
その夫であり音楽を担当した宇崎竜童(以下宇崎)の4人だ。

濃厚なベットシーンに対して黒谷は「ワンカット、ワンカットをお客様に伝えるため、監督の『もっと声を』というご指導の元で演じました。」と照れながら話す。年上男との恋愛は、自分を磨く手段かと聞かれると、年下の彼氏・圭役の黄川田を見ながら「YESです。人間力みたいなものを色々磨かれていくと思います。圭ちゃんも好きですけど(笑)。」とコメントした。

黄川田は役柄について「学生時代年上の女性にあこがれたことがあって役柄が自分に近すぎて逆に演じるのが難しかったです。ストーリー同様黒谷さんにひっぱってもらいました。」とはにかむ姿はまるで少年のような26歳。本作のように二股をかけられていたら…?との質問に「泣く。やっぱショックですね。責めることができずに目をつぶります。そのまま泣く!」と熱く語った。

夫婦である阿木と宇崎の話の掛け合いは終始盛り上がりをみせた。
阿木は「本妻が見ても愛人が見ても共感できるような作り方をしました。たくさんの人にみていただきたい。」と初日を迎える興奮を隠し切れない様子で語る。宇崎は「監督と同じです。ただ、本妻と夫と愛人と三人で見ると…どうかな?」とつけくわえると同時に笑いが起った。

「『私は明日から監督です。在宅単身赴任を命じます。』と妻から言われました。それからはレトルトを買い続ける2ヶ月でした(笑)。こんなに音楽に厳しい監督は初めてです。ダメ出しは毎日でした。でも仕上がった作品を見て音楽が生きるように作ってくれて感謝しています。」と語った。

その後阿木が来場した観客に「この作品は出産直後に嫁入りしたような映画です。皆さんは出産の立会人です。(夫の)単身赴任はとけて今はごはんを作っていますよ。」と会場を沸かせた。

夫婦仲がとてもむつまじい雰囲気が漂う一方、この作品に厳しく熱く創りあげてきたのがわかる。

俵万智処女小説「トライアングル」を原作に迎え男女の恋愛関係や仕事といった30代女性が抱える問題とそれに対する女性の考え方をリアルにそして官能的に描き出した。年上の男にはベテランの村上弘明が甘い演技を見せている。

今年の秋の夜長には「TANNKA 短歌」でシネマエクスタシーを感じてみては?