大崎義生原作の『アジアンタムブルー』。阿部寛、松下奈緒をキャストに迎えたこの映画のプレミアム試写会が、11月9日品川教会にて行われた。通常の試写会とは違い教会という珍しい雰囲気の中、主題歌を歌うデルタ・グッドレムも登壇し、松下が弾くピアノでミニライブも行われた。

今回の映画で松下は演技のほかに音楽面でも参加している。自身が演奏した曲について「映画にぴったりな曲だと思います。弾いていると感極まります。今回は映画と音楽で演じたので、いろんな方向から携われたことが貴重な体験になりました」と語った。

松下演じる続木葉子は末期癌のために、残された命は余命1ヶ月。そして主題歌を歌うデルタ・グッドレムは以前にガンの闘病生活を経験した人物なのである。「この映画を観て感動したことが、主題歌に込められています。私自身、ガンの闘病生活を経験しているので、そういったときに愛する人と美しいところで一緒にいたいという思いに深く共感しました。」

葉子と阿部寛演じる隆二が、わずかな時間を過ごすために選んだフランス・ニース。そのニースの空気に阿部は温かさを感じたのだと言う。「ニースのイメージがもっとクールなものだったんですが、スタッフみんながとても温かい方ばかりで。街の雰囲気もそうで、この映画のようでした。撮影中に強く思ったのは、単純なことの素晴らしさ。もし私が余命1ヶ月という状況だったら、このニースのような綺麗なところで過ごしたいと思いました。」
(林田健二)