１７歳で作家でデビュー以来、新作発表の度にファンの心を魅了し続ける人気俊英作家、乙一。作家生活１０周年を迎える本年を記念すべく『暗いところで待ち合わせ』が遂に完成した。公開を11月に控えた10月23日（月）、都内ホールにて特別試写会が行われ、豪華キャスト＆監督による舞台挨拶が行われた。

この日登壇したのは、故・今村昌平監督の長男であり、今村作品の脚本家として、さらには、緻密で繊細な人物描写を特徴とする監督として、高い評価を得ている天願大介監督。視力をなくし、光のない世界で孤独に暮らすミチル役を見事演じきった、日本映画界を代表する女優・田中麗奈。希望をなくし、心に闇を抱えるアキヒロ役を好演した、アジア各国で活躍する台湾の若手俳優、チェン・ボーリン。そして主人公ミチルの親友カズエを自然体で演じた宮地真緒。

演じるにあたって、研究とトレーニングを積んだ田中麗奈は「個人的にも思い入れの強い作品です。照れくさい反面皆に見て欲しいです。」とコメント。日本でも人気急上昇中のチェン・ボーリンは「今回、監督や皆さんと仕事が出来て本当に嬉しかった。アキヒロ（役名）は自分とは正反対で、日本語の台詞も多かったし、大変だったけど、自分にとってもチャレンジングな作品でした。キャスティングしてくれた監督に感謝しています。」と、自身にとっても感慨深い作品となったようだ。

ふたりは『幻遊伝』に続く、共演2作品目。このことについて「1人の役者さんがこれほど変われることに驚きました。」（田中）「田中さんは凄い役者です、尊敬しています。」（ボーリン）と互いに称賛。撮影中日本語と北京語を教え合っていたというふたり。ボーリンのこの言葉に田中は「謝謝」と北京語で応える場面も。

最後に主演の田中から「寒くなってきたので、この映画を見て暖かくなって欲しいです。」と観客へメッセージが贈られた。

映画『暗いところで待ち合わせ』は11月、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほかにて全国ロードショー。