第19回東京国際映画祭協賛企画による特別上映会「鈴木清順48番勝負」が本日21日よりシネマヴェーラ渋谷にて開催される。
鈴木清順監督デビュー50周年を記念して企画された本上映会では、デビュー作『港の乾杯 勝利をわが手に』(56)から『ピストルオペラ』(01)までの48作品が一挙に公開される。ちなみに監督の日活作品を全て上映するというのは今回が初めてであり、非常に貴重な上映会となっている。
初日を迎えた今日、会場では鈴木監督と『殺しの烙印』でヒロイン・美沙子を演じた真理アンヌさんのトークショーが行なわれ、会場に集まったファンの前で『殺しの烙印』の裏話を惜しげもなく話してくれた。

当時、日劇のミュージックホールに監督が自ら会いに来て見出してくれたことが出演のキッカケになったと言う真理アンヌさん。「パッと見て美沙子に惹かれました。名前にも惹かれたんですが、なんと言っても『私の夢は死ぬことよ』という最初の一言がぐっときたんです。落雷のようでした。」と思い出すように語ってくれた。父親から受けた影響によって様々な想いの中で生きていた真理アンヌさんにとっては、この作品との出会いがまさに運命だったようだ。
また『殺しの烙印』が”初めて前張りが使用された映画”と言われる作品でもあることについては「映画の中で脱ぐのって大変なんですよ。ウエートコントロールや食事制限ももちろんありましたから。映してもらいたい被写体である自分の気持ちと、映したい側の気持ちが一致した時はスチールも撮ってもらってましたね。」と語ってくれた。撮影の合間に撮っていたスチールを写真集にする企画もあるのだそう。

ここ数年の作品では女性を描くことが多くなっている鈴木監督。「観客は男性が多いですからね。男同士だとちょっとね!(笑)アクション映画は女性向きですよ。女性は殺伐としているのを好みますからね。」と観客を笑わせ、会場を盛り上げた。

「TVやインターネットなど、いろんなもので映画を見れる時代にわざわざ映画館に行ってお金を払って観てくれるのは嬉しいですね。いい映画に触れてもらうために、邦画界には頑張って欲しいです。」とトークショーを締めた真理アンヌさん。クールビューティは健在だ!

(umemoto)