「一見さんお断り」という舞妓の世界をテーマに宮藤官九郎がオリジナル脚本を書き下ろしたエンターテイメント超大作『舞妓haaaan!!!』の製作発表会見が東京・東宝スタジオのお茶屋をイメージした実際のセットで行われ、宮藤官九郎、水田伸生監督、阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウが登壇した。9月7日にクランクインし、11月上旬まで約2ヶ月間の撮影期間を予定しており、現在順調に撮影が進んでいる。

脚本の宮藤官九郎は、「現代において、舞妓さんが好きだって人が、それだけでどんどん出世していく、夢みたいな話があったらいいなと思って始まったんですけど」と語り、プロモーション映像を見た感想について、「イメージ以上ですよ!台本を書いている時自分を見失って、冷静ではなかったもので、今見るとすごいテンションだなあと思います。いわゆるコメディーっていうのをしばらく見てない感じがあるんですけど、久し振りに思いっきりやっているコメディーだなって思いました。」と話した。

水田伸生監督は、「官九郎さんから頂いたシナリオは一読して爆笑するほど面白かったんですが、要素がとても多くて、場面も様々ですし、物語もどんどんエスカレートしていくので美術も大変なんです。その苦労もひたすらこの映画を見てくれるお客様のためだと思っていますし、阿部さん、堤さん、コウちゃんの良い芝居を引き出すためだと思って、日々アイディア合戦を繰り広げています」と話し、「宮藤さんの脚本、笑える映画じゃないと大失敗なんで、お腹痛いとまではいかなくても、笑う門には福来り、健康が来たりするんで、みなさんに笑って頂ける映画にしたいです!」と意気込みを語った。

舞妓しか愛せないサラリーマン・鬼塚公彦を演じている阿部サダヲは、「毎日楽しくて、36だけど楽しいだけじゃだめかしらって映画に仕上がると思うんで、よろしくおねがいします!」と終始テンションが上がりっぱなし。今までの宮藤作品の中でもかなりぶっ飛んでる鬼塚と似ているところは、「一つのことに没頭して目標や目的を見失うところ」と答え、「今、全員フラッシュたいて貰っていいですか?」と目の前のカメラマンにお願いしたり、会見中の質問と噛み合っていない自分の答えに一人つっこんだりしながら、役どころさながら会場を何度も沸かせた。

お座敷嵐しのプロ野球選手を演じた堤真一は、「僕は、実は撮影は終わっているんですけど、脚本を読んだ時に大爆笑で。仕事している気は全然しなかったんで。おもろないわけはない!って感じです。」役どころについては、「以前から祇園に関わっている。京都の古いシステムを憎んでいる人間ですね。深みがあるかどうかは別ですが(笑)」

鬼塚にフラれた腹いせに舞妓になる富士子を演じた柴咲コウは、「もう一ヶ月以上たつのにちゃんと真面目なシーンをやって、ほっぺたをはたいた阿部さんの表情がおかしくて。それくらいいつも笑いの渦の真ん中にいながら、堪えるのが大変です」とエピソードを語り、富士子について「鬼塚も変なんですけど、それを追いかけている富士子も相当変な子で、でも愛の一途さは一貫してある子だなって思いました」。初挑戦の舞妓については、「コスプレ好きなので、最初真っ白になった顔を見て仰天したんですけど、慣れた頃には物足りなくなりました。衣装も重くて身が引き締まる思いで、所作もなんとなく女の子らしくなった気がします」と話した。

宮藤の脚本の魅力を聞かれた3人は、「(阿部)読んでいる最中に笑えるし、演じていても、ずっと面白いっていうのはすごいな。どんどん、ますます面白くなっている気がする」、「(堤)振り幅が大きくて楽しめたし、才能のある人だなって思いました。」、「(柴咲)読んで笑って、口にして納得する。やわらかいスカッシュボールの様。」とベタボメ。それを聞いていた宮藤は、「他人事のように聞いていたんですけど、言葉にしていただけるとうれしいです。僕はもう死んでもいいくらいの気分です!」と照れくさそうに話した。
(M.NIBE)