姉の愛(加藤ローサ)はむずかしい病気で11年間眠ったまま。
ある夜、お母さんのおばさんが南米で事故にわかったと知った両親はあわただしく現地へ出発。その夜、2人きりになった愛と夏美(菅野莉央)に奇跡が起きる。

体は19歳だけど心は8歳という難しい役柄には加藤ローサ自身も始めは悩んでいたよう。「監督に相談したところ、『そのままでいいんだよ』って言われて、『え!?』って思ったんですが(笑)、ストレートに感情を出せば幼稚さはだせるんじゃないかと思いました。」と役作りについて話した。
ウスイヒロシ監督は「ローサちゃんは小さい頃からわんぱくだったと聞いていたので、本当にそのままでいいんじゃないかと思っていたです。」と暖かい(?)フォローをしていた。

映画の中では、幼い姉と少し大人びた妹のやり取りについ笑ってしまう。「愛ちゃは悪く言えば常識がないんですが、良く言えば常識にとらわれない子なんですよね。そういう愛ちゃんを演じられるのは嬉しかったです。出来上がった作品を観ている時、愛ちゃんに影響されて夏美ちゃんも一歩歩き出すシーンを見た時は姉の気持ちになってほっとしました。」と、プライベートではひとりっこの加藤ローサにとっては貴重な体験になったようだ。

「ローサちゃんはいつも面白くて楽しかったです。こんなお姉ちゃんがいたらいいなって思ってました。ローサちゃんは撮影の時にいつもおかしバックを持ってきていたので、よくもらって食べてました(笑)。」と撮影中の様子について語る。
「莉央ちゃんはいつもほんっとにしっかりしてて、撮影中も撮影していない時もよくいっしょになって遊んでましたね。スタッフからも『本当に姉妹に見える』って言われたりして嬉しかった。莉央ちゃんが学校の宿題をやっているところを『遊ぼうよ〜』って言ってじゃましたり。ちょっと妹にウザがられちゃうかな(笑)。」と、会場でもふたりはまるで姉妹。
そんなふたりを間近で見ていた監督は「特にこっちから要求することもなく自然な形でふたりは姉妹になっていました。だから、このふたりの雰囲気がそのまま映画に出ていると思います。僕はふたりの父親っていう感じでした。『ごはんだよ!』が『本番だよ!』みたいな(笑)。」と、撮影中の暖かい雰囲気が感じられた。

女の子がきれいになるにはきれいな水が必要という映画のメッセージを表現するために、大きなプールで撮影は行われた。
「水中のシーンは予想がつかなかったけど、観たらキラキラしててすごくきれいだった!」と話す姉妹。お父さんを甘く見てはいけません。なぜならお父さんはミュージックビデオディレクターとしてたくさんの有名なアーティストとお仕事をしていますから。「日頃家族と時間を過ごしている時に、『あ〜いぃな』って思う時ってあると思うんです。それがきっかけで明日からがんばろうとも思う時ってありますよね。姉妹のちょっとした日常のできごとを見て、少しでも皆さんの中に変化がありますように。気を楽にして楽しんで下さい。」と、ウスイ監督は劇場に訪れた観客にメッセージを送った。

どっちが姉で妹?あなたももう一度姉妹の関係を振り返ってみては?
(ハヤシ カナコ)