9月23日、『待合室』完成披露プレミア試写会が、銀座ル テアトル銀座にて開催され、主演の富司純子を始め、キャスト・スタッフによる舞台挨拶が行われた。

岩手県のいわて銀河鉄道「小繋(こつなぎ)駅」の待合室には、「命のノート」が置いてある。駅に立ち寄った旅人は、抱えている悩みや苦しみを書き残し、駅前にある酒屋のおばちゃんがそれに返事を書き続けている。2003年2月の朝日新聞に掲載された、おばちゃんと「命のノート」の記事を読んだ板倉真琴監督が東北の片隅で営まれている素朴な心の交流を自然体で描こうと企画し、地元の応援を受けて初監督作品として実現した。

富司純子は、実在している女性に実際に会って出演を決めたという。「とってもすてきな女性で、演じさせていただくにあたって彼女のイメージを壊さないように、彼女のお力を借りて、方言指導やお衣装も借りました」。「命のノート」を見た感想については「いろんな人生、いろんな悩みを持った人たちがたくさんいらっしゃるんだなって感じました。こういう温かいノートが大事に受け継がれていくことは、すごくすてきだなって思いました。」

初の富司・寺島の母娘共演について、板倉監督は「まさか出てくれるとは思っていませんでした。富司さんの笑顔があれば大丈夫だと思いました。できあがったフィルムを見て、歩き方、声の質が似ていたので、びっくりしました。」と話した。

応援にかけつけた岩手出身の民主党代表・小沢一郎先生は、「心の豊かな人間性あふれる、純朴な連中ばかりが大勢いる所です。県民のひとりとして、この映画を見て、今失われつつある人間の心の豊かさを、多くの人達がもう一度考えるひとつのきっかけになってくれたら、県民としてこんなにうれしいことはないと思います。」とメッセージをおくった。
(M.NIBE)