ある一本の映画が世界中に感動の嵐を巻き起こそうとしている。先日、米アカデミー賞最優秀外国語映画賞部門において日本代表作品に選ばれた『フラガール』だ。

昭和40年の炭鉱まちで起こった実話を美しい映像と音楽で彩った本作は今日23日に公開初日を迎えることとなったが、『フラガール』の完成度の高さは既に口コミで広がっており、この日を心待ちにしていた人は多かったようだ。アカデミー賞での快挙だけではなく、南海キャンディーズ・しずちゃんの女優デビュー作であるなど話題性もたっぷりの本作は類い稀な魅力を放っており、まさに日本が誇れる映画となっているのだ。

”とても大切に、一生懸命作った作品”だと語った松雪さんが演じたのは、炭鉱娘たちに一からハワイアンダンスを教える教師・まどか先生。元SKDのダンサーであるというこの役をこなす為にダンスの猛特訓をしたそうだ。「やはり元SKDのダンサーということだったので、プレッシャーがかなりありました。ガールズ達のダンスは本当に素晴らしかったです!ラストシーンの踊りのリハーサルを見て、感動して泣いてしまいました。」と話してくれた。

ガールズ達を引っ張っていくリーダー的存在・紀美子を演じた蒼井優さんは「この映画がたくさんの人の大切な作品になれば嬉しいです。」と笑顔で話す。蒼井さんは紀美子を魅力的に演じただけでなく、難しいソロのダンスをも披露し、観る者を惹き付けて離さないその演技力で感動を引き起こしている。「ダンスはタヒチアンダンスが一番難しかったです。最後のシーンで着ている赤い衣装は、実はガールズたち皆が作ってくれたものなんです。だから皆が守ってくれているような気がして、それが励みになって踊れました。」

また、女優として登壇した南海キャンディーズのしずちゃんは「本格的に女優をやったのはこの映画が初めてですが、自分から女優オーラが出てるのを感じてます。”全米泣かせます”って言ったのも実現するんじゃないかと思ってワクワクしています!」と会場を沸かせた。しずちゃんが”私が泣かせる”とここまで言い切れる理由は映画を観れば納得できるだろう。初出演とは思えない女優魂で人々の笑いと涙を引き出しているのだ。ますます綺麗になっていくしずちゃんが放つ圧倒的な存在感も必見です。

私たちを暖かな気持ちにさせてくれる映画『フラガール』。李相日監督は「人間の生きる力はどんな時代でも境遇でも素晴らしい。それを人間の持つ美しさや強さ、そして弱さも含めて描きました。この映画がもっと大きく立派に育てば嬉しいです。」と語った。

この想いはきっと、あなたにも伝わるはず——。『フラガール』で笑顔を咲かせてください。

(umemoto)