”・・・何を言っていいかわからなくなる様な、そんな映画です(笑)”(香椎由宇)
”へんてこりん”(キタキマユ)
”合法ドラッグのような”(斉藤陽一郎)
”軽く頭が狂ってる”(菊池成孔)

デタラメに愛しい物語『パビリオン山椒魚』。初日舞台挨拶に参加した出演者らが、堂々と映画に対してしたコメントを見ていただければ、どれだけデタラメで愛しい映画かわかっていただけるだろう。

9月16日、シネセゾン渋谷にて公開した『パビリオン山椒魚』の舞台挨拶に出席したのは、冨永昌敬監督、主演のオダギリジョー、香椎由宇ら総勢10名。
自称”21世紀の天才レントゲン技師”飛島芳一を演じたオダギリジョーは「監督とは同い年なので、同級生のような幼馴染のような感覚でいるから自分が監督した作品が公開されるような緊張感です。今のところたくさんのお客さんが入ってくれている様なので(笑)、この調子でたくさん入っていただければ」と挨拶。監督については「初の長編映画にも関わらず、気負いというかプレッシャーを感じているようには見えなくて堂々としていましたね。スタッフもキャストも監督の魅力に引っ張ってもらった感じです。」と語った。

飛島芳一の元に訪れた動物国宝オオサンショウウオ=キンジローのレントゲン撮影。”本物ならばパリ万博に出品された際の骨折があるはず”というこの依頼から始まった、キンジロー財団やその管理者である二宮家の娘あづきらとのぶっ飛ぶような物語がこの映画のストーリー。この映画を作ったきっかけについて監督は次のように語った。
「オオサンショウウオは19世紀のヨーロッパで流行ってたんです。でも化石でしか知られてなくて、そのときすでに絶滅していると思われていたんですが、それが日本にいるんです。僕の知っているもので今70歳なんですけど。で、それがもしかしたら万博に出されていたかもしれないって思って。そこから着想しました。」

この日の公開と時を同じくして、映画のサントラ版も発売された。その音楽を担当した菊池成孔も舞台挨拶に出席し、しっかりとサントラの宣伝をしてくれた。
「ものすごく大事なことですがサントラが今日発売されますので(笑)。ジャケット写真はオダギリジョーさんですので、オダギリさんのCDと勘違いして買ってください(笑)」
(林田健二)