9月7日、『愛の流刑地』(07年1月13日 全国東宝系ロードショー)の製作発表記者会見が都内で行われ、豪華キャスト・監督、そして原作者の渡辺淳一が結集した。

原作「愛の流刑地」は04年11月から06年1月まで日本経済新聞に連載され、06年5月に発売された単行本も上・下巻とも発行部数20万部を突破するベストセラーを記録。同作者の『失楽園』を越える大人の愛の物語は、その過激さゆえ、『愛ルケ』現象として賛否両論を巻き起こしている。

作家生活40年の体験と圧倒的な情熱を傾けて書き上げたという渡辺淳一氏は「今回は本当の大人の純愛、「強さ」と「深さ」と「怖さ」をとことん表現して頂きたい」また撮影現場の感想について「原作者としても不満がないと確信を持って言える」と太鼓版を捺した。
監督・脚本はテレビ界の巨匠・鶴橋康夫。『永遠の仔』、『砦なき者』を手がけ、ドラマ演出歴40年以上のキャリアを持ち、津川雅彦、本田博太郎らベテラン俳優に『天才』と慕われている。「渡辺先生、ありがとう。いい原作です。それを頼りに今、描き続けています。」と挨拶した。

主人公・村尾菊治役の豊川悦司はラブシーンを撮り終えての感想を聞かれ、「寺島さんとはたくさんのラブシーン、ベッドシーンがあります。いろんな体位もあります。いろんなキスもあります。いろんな気持ちの交流もあります。やっているときは寺島さんにすごく助けられたというか、冬香なのか寺島しのぶなのか、撮影なのか、現実なのか分かんないぐらいリラックスして撮影することができました。僕がリラックスして心も身体も使って人を愛している様というのは、見てもらって、受け止めてもらえるものなんじゃないかと確信しています」と、答えた。
劇中、最後にまとった勝負服の着物姿で登場した入江冬香役の寺島しのぶはどのような覚悟で臨んだかを聞かれ、「これはラブシーン無きにしては全く成り立たない映画なので、お話をお受けしたときには、監督を信じて何もかもさらけ出すつもりで、やるつもりでした。豊川さんは本当にカバーしてくださって、危うく好きになりそうになりました。お芝居以外のカットがかかってからのケアは説明しにくいんですけど、本当に素敵な方だなと思いました。スタッフの皆さんが本当に優しくて、集中できたので、心おきなく脱ぐことができました」と感極まって涙ぐんだ。

この映画のもう一つの見どころは、富司純子と寺島しのぶという実の母娘が初めて母娘役での共演を果たしたことだ。富司純子は「親子としては、ブレーキをかけるところが、実生活と同じような感じです。女優としてはこういう機会を与えられて幸せですし、親ばかですが、娘がこういう役をやれる女優に育ってくれたことを大変うれしく思っています。」と笑顔で答えた。また、二人ともこれが最後の母娘役になるだろうと話した。

現在撮影は4/5が終了し、クライマックスの法廷での撮影中。クランクアップは9月18日、11月下旬完成予定。お正月第二弾として全国東宝系ロードショー。「大人の純愛」、「愛ルケ」が、再び議論を巻き起こすであろう衝撃作になることは間違いないだろう。

(M.NIBE)