ずっと変わらない“私たち”の姿 『真夜中の少女たち』初日舞台挨拶
8月12日、『真夜中の少女たち』の初日舞台挨拶が渋谷シネ・ラ・セットで行われた。
今日の初日舞台挨拶を待ちわびて、昨日の午後9時から待っていたという観客もいた事を知り、キャストは「ありがとうございます!」と満面の笑顔で観客にお礼を述べた。
子供でも大人でもない、17歳の女の子たちをメインキャラクターとして据えたオムニバス・ムービーは、女子高生限定の試写会を開催した際も好評で、特に女の子同士の友情を描いたベットタウンガールズは特に好感を得ていた、という堀江慶監督からの報告を受け、その回に出演した田中晶役の長谷部優さんと岡部幸役の上堂薗恭子さんは、「そう言っていただけると嬉しいです!ケンカのシーンはかなり激しかったのですが、がんばった甲斐がありました(笑)。」と、話した。ケンカするほど仲がいい、そんな言葉を体現した2人には会場から拍手が送られた。
そして、今『渡る世間は鬼ばかり』のえなりかずきさんの恋人役でも出演し活躍している渋谷飛鳥さんは、同級生の男の子じゃ物足りない、そういったクールな一面を持った中村佳織を熱演。「私は佳織とはまったく違うし、先生を好きになったりしません(笑)。でも、佳織の気持ちが入ったシーンでは、一発で演じきることができてよかったです。」と話し、両監督からも賛辞を受けた。
今回は初主演映画となる高部あいさんは「ぎこちない演技をしているかもしれませんが、監督のご指導もあり演じきることができました。」とアイドルから女優への階段を一歩踏み出したのではないか、と今後も期待できるコメントを残した。
この5人の仲でもかなり不思議な少女、南里子を演じた佐津川愛美さんは「監督からも最初に変な子だけどよろしくと言われて、かなり戸惑いながら演じ始めたのですが、里子は確かに少し変わった子だなと思いましたが、里子自身も自分が少し変わっていると自覚していると思ったので、これが里子なんだと思って演じました。」とこの役に成りきることができたようだ。
5人が揃った撮影は一度しかなく、今日も2回目の対面というわりには、同じ制服を着た少女たちがいる学園が想像できた。『みんなが同じ時間を生きている』という趣旨にしたかった、と話す堀江慶監督・佐伯竜一監督の思惑は達成できたと言えるだろう。
今後も次回作が控えている彼女たち。不安定でありながら生きていこうとする主人公たちの姿とシンクロするのは私だけではないと思う。
(ハヤシ カナコ)