8月7日、『シュガー&スパイス〜風味絶佳〜』の完成披露試写会と舞台挨拶が行われた。2005年度恋愛小説人気No.1、山田詠美『風味絶佳』(文藝春秋刊)は6扁からなる短編小説で、その中の1扁・表題作『風味絶佳』を映画化したものだ。テレビドラマ『愛という名のもとに』、『親愛なるものへ』、映画『冷静と情熱のあいだ』を手掛けた大多亮プロデューサーと中江功監督による珠玉のラブストーリーの主演・志郎を演じるのは、『誰も知らない』で第57回カンヌ映画祭の最優秀男優賞を日本人初、最年少で受賞した柳楽優弥(16)。そして恋の相手となる乃里子を演じるのは『パッチギ!』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、今最も輝いている女優といわれる沢尻エリカ(20)。そして2人の恋のゆくえを見守る志郎の祖母役に夏木マリ。そのほかチェン・ボーリン、高岡蒼甫、大泉洋ら魅力的なキャストが揃っている。

◇挨拶
柳楽「監督に教えてもらって成長できました。」
沢尻「大好きな映画で、大変だったけど楽しめました。つらいときでもがんばってよかったです。」
夏木「70才のグランマを特種メイクで演じました。ババア三部作の三本目だと思っています。(笑)」
チェン・ボーリン「夏木さんと共演したいという夢が実現してうれしいです。」
高岡「柳楽くんの目力がすごいです。きれいな映画に仕上がっています。」

◇作品を見てどう思いましたか?
大多P:みんなの芝居に満足しています。特に沢尻がすばらしい。涙の表情とか、やっぱりただものじゃないとよくこんな芝居をしてくれたなと。今の若い人たちは優しいけど、うまくいかなったり、キレたり。強いところと優しいところが必要なんじゃないかと思って作りました。

◇演技について
中江監督:柳楽くんは最初ほとんどしゃべらないし、落ち着きがなくて子どもかなと思うくらい。(笑)でも途中でスイッチが入って、寒い中で何度も撮影したとき、芝居の神様が降りてきたようでした。沢尻さんは子どもっぽいところと、大人っぽいところの両面を見せてくれました。夏木さんは瞬発力の人で圧倒的な存在感がありますね。小道具や衣装にもこだわりがあって。たくさん助けられました。チェン・ボーリンさん(台湾出身)については、日本にこんな人いない。礼儀正しいし、文句一つ言わず周りの空気を乱さない。佇まいなどから、まだ若いのに映画俳優だ!と思いました。

◇初めて年上の女性とのラブストーリーですがとまどいは?
柳楽:ありました。キスシーンで、すごく緊張しました。

◇恋の必要なものは?
夏木:好奇心とか、体力とか(笑)、若さですね。カンヌに行ってから今度はフランス人になろうと思いました!21世紀がんばっていこうと思ってます。

◇母より年上の女性と恋に落ちる可能性は?
条件としては自分の母よりは若い方がいいですね。(笑)でも夏木さんはすばらしいのでこのような女性なら好きにならずにいられないと思います。大切なのはその人のキャラクターだと思います。

◇柳楽くんの印象は
夏木:21世紀の笠智衆ですね。演じるというより「生きてる」って感じ。映画の最初と最後では別人でした。私はやりすぎなんですけどね。(笑)将来がおそろしいです。

◇観客へメッセージ
沢尻「女のコは守られたいし、優しくもしてもらいたい。男の人はこれを見て勉強してください!!」
柳楽「がんばったんで、映画楽しんで見てください。よろしくお願いします!!」
(M.NIBE)