押井守監督の最新作『立喰師列伝』の完成披露試写会が都内で行なわれた。この映画には、スタジオジブリプロデューサーである鈴木敏夫、プロダクションI.G社長の石川光久、作曲家の川井憲次など、押井守監督とのかかわりのある方が出演している不思議な作品。その出演者を集めての舞台挨拶となった。

原作・脚本・監督の押井守監督「立ち喰い師というのは僕の頭の中に25年くらい前から住み着いていて、今回石川が、何を狂ったか「映画にしていい」と言うもので、念願の映画化になりました。ちょっと変なものを作ったかなという気が少ししています(笑)。この映画は僕にとっての日本の戦後史を描いた映画でもあり、完成してみると怒りの映画になっていると思います。」
 
吉祥寺怪人(月見の銀二役)「私だけこのメンバーの中でひとりだけただの会社員で、いつもならカメラを持って取材する側で、ステージ上にいることに戸惑ってます」
 
兵藤まこ(ケツネコロッケのお銀役)「今回の作品は、仕上がったものを見て初めて「こういう作品だったんだ」と、複雑な思いとうれしい思いで今、混乱してます(笑)。実はどうしてもこのシーンは嫌ですとお断わりしたシーンがあったんですが、初号を見たらしっかりそのシーンが使われていて監督の嘘つき!と思いました(笑)」

鈴木敏夫(冷やしタヌキの政役)「今回僕は髭を剃り髪の毛を黒くし眼鏡を取ってこの映画に出演させられたんですけど、そうしたらうん十年前の自分がそこにいるような錯覚に陥ったので、それを見越した押井さんに今回少しだけ感服しました(笑)。最初死体役を断わろうとしたんです(笑)。その死体が解剖室に置かれるということで、全裸を要求されたんですよね(笑)。それで僕は「実際に全部脱ごう」と言ったらプロデューサーが止めてくれと言ったんですよ(笑)」

川井憲次(音楽監督・ハンバーガーの哲役)「音楽しか作っていないのに、出演までさせられてしまって恥ずかしい心境です」

品田冬樹(品田徳満役)「押井さんの映画『紅い眼鏡』でもソバ屋役をやっていたので今回おもしろ半分に立候補してしまいまいした。」

石川光久(企画・哭きの犬丸役)「今までの押井監督の最高傑作であることは間違いないと確信しました(笑)」