監督&ピーター・バラカンが語る、ほろにが傑作アニメ『年をとった鰐』初日舞台挨拶
8月5日、「『年をとった鰐』&山村浩二セレクト・アニメーション」初日舞台挨拶が渋谷ユーロスペースにて行われ、演出とアニメーションを手がけた山村浩二とナレーションを担当したピーター・バラカンが登壇した。
ピーター・バラカンが司会を担当しているNHKの国際放送「Weekend Japanology」(海外向けに日本の文化などを英語で紹介する番組)に3年前山村監督がゲスト出演したこときっかけに知り合い、そのとき日本語版のナレーションと英語版の翻訳とナレーションを依頼したという。「イギリス英語で物語風に翻訳してもらっていい感じに仕上がりました(山村)」、「日本語と英語の表現は同じでないので、案外難しかったです(ピーター)」、ナレーションで気をつけたところは?「ニュアンス的なところです。スムーズに進んだので、録音は日本語、英語とも1日で終了しました(ピーター)」。レオポルド・ショヴォーの原作は知っていたかという質問には、「知りませんでした。原作を読んで変わった話だと思いました。普通の話とは趣きや道徳感が違うと思いました。」と答えた。
今までオリジナル作品だけを創作していたという山村監督は、二十代の頃からのショヴォーファン。以前から原作を読んでアニメ化したいと思っていたという。フランスの文学者辞典にたった2行しか載っていなかったショヴォーはフランス文芸関係者の間でも知名度が低く、「ショヴォーを広く知ってもらうきっかけにしたかった」と話した。そして監督は作品を作るためにフランスでショヴォーの孫娘である90歳のおばあちゃんに会い、生前のショヴォーの話を語ってもらい、感動したという。
「『年をとった鰐』は13分しかないので、見どころは全部です!(ピーター)」。山村がセレクトしたアニメーションについて、「実験アニメから、最先端のものまで、ストーリー性、ハンドメイドで大人が楽しめる映画です(山村)」
(m.nibe)