7月15日から9日間にわたって開催中のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2006が最終日を迎えた。短編コンペティション部門、長編コンペティション部門各賞の表彰式、長編グランプリ作品の上映が行われた。

■短編部門(国内コンペティション)
★審査員特別賞(主催者賞:賞状の授与)
『Catchball With ニコル』監督:浅野晋康/59分/2005年/DV/DV
 浅野監督コメント:服部くん、松永くんと三人で作った作品です。映画祭で沢山の皆さんに観て頂いてうれしいです。
 
『緑玉紳士』監督:栗田やすお/48分/2004年/DV/DV
 栗田監督コメント:映画祭で皆さんの目に止まる機会ができてよかったです。主演男優の『緑玉紳士』です。(人形を紹介)

★奨励賞(主催者賞:賞状、トロフィーの授与。川口市民賞:トロフィー、副賞(賞金50万円)の授与)
『tough guy!2005』監督:岸本真太郎/7分/DVD/DV
岸本監督コメント:本当にむちゃくちゃ嬉しいです。笑いだけに特化した作品が観客に評価されたのだと思います。

『花筵』監督:吉村真悟/35分/DV/DV
吉村監督:まさか受賞すると思わなかったので、今は頭が真っ白です。すごくうれしいです。祖父と母と東京の母にお礼を言いたいです。
 
『愛の矢車菊』監督:樋渡麻実子/45分/2005年/DV/DV
樋渡監督:映画を観て頂く機会があまりないので、映画祭で観て頂けて嬉しいです。このお金でまた映画が作れると思うとうれしいです。

★最優秀作品賞:該当作品無し

短編部門総評(審査委員長:高嶋政伸)
短編部門の審査委員長を務めるのは2度目となります。審査基準は作家のオリジナリティー、シナリオの完成度、センス、情熱・物作りへの気迫、今後の期待度です。昨日数時間大激論が続き、つかみ合い、殴り合いになりそうな勢いで寿命が縮まりました。審査員特別賞はお客様から圧倒的な支持を得た2作品です。奨励賞の『tough guy!2005』は審査員の男性に人気で、今後に期待したい作品です。『花筵』は俳句を映像化するという変わった、おもしろい作品でした。『愛の矢車菊』は人間関係の過程、風景の描き方、実力があるといわざるを得ません。最優秀作品該当無しについて、今回の傾向はまとまりがあってバランスが良いのですが、枠組みを抜け出てくるものを感じることができませんでした。来年再び独自性のある熱気を感じる作品、その一本で世界がひっくりかえるような一本を来年お待ちしています。

■長編部門(国際コンペティション)
★最優秀作品賞/ソニーDシネマアワード
『契約』監督:ルゥ・シュエチャン
主催者賞:賞状、トロフィーの授与/ソニーDシネマアワード:トロフィー、副賞(賞金1,000万円)の授与
ルゥ・シュエチャン監督コメント:本当に素晴らしい賞を頂きありがとうございます。これは初めて作ったデジタルシネマです。これからもデジタルシネマを作っていきたいと思います。

★新人監督賞/ソニーDシネマアワード
『プレイ』監督:アリシア・シェルソン
主催者賞:賞状、トロフィーの授与/ソニーDシネマアワード:トロフィー、副賞(賞金200万円)の授与
アリシア・シェルソン監督コメント:SKIPシティとこの映画祭に感謝します。またこの映画祭に戻ってきたいと思います。

★脚本賞/ソニーDシネマアワード
『シュニッツェル・パラダイス』監督:マルティン・コールホーベン
主催者賞:賞状トロフィーの授与/ソニーDシネマアワード:トロフィー、副賞(賞金100万円)の授与
脚本家マルコ・バン・ヘフェン電話メッセージ:受賞を光栄に思います。素晴らしいセレモニーをお過ごし下さい。また皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

★技術賞/ソニーDシネマアワード
『スクジーテク<小さな妖精>』監督:トマーシュ・ボレル
主催者賞:賞状、トロフィーの授与/ソニーDシネマアワード;トロフィー、副賞(賞金100万円)の授与
 トマーシュ・ボレルJr(俳優):私の父、監督は新作準備のため日本には来られませんでした。今回の賞はスタッフの励みになると思います。どうもありがとうございました。

★審査員特別賞/ソニーDシネマアワード
『スイカの皮からの旅立ち』監督:アフメット・ウルチャイ
主催者賞:賞状、トロフィーの授与/ソニーDシネマアワード:トロフィー、副賞(賞金100万円)の授与
ベルース・ハセミアン(プロデューサー):ありがとうございます。日本とのつながりができたことに感謝します。

長編部門総評(審査委員長:リチャード・ジョブソン)
12本の長編作品全てにおめでとうという気持ちを表したく思います。大変長い時間、審査の話し合いを行いました。作品に描かれた世界は大きく奇妙で美しく、また色々な文化が描かれていました。世界は大きくハートは共有すべきものを感じました。私達が選んだ作品では『家族』というテーマで世界の色々な地域が描かれていました。『契約』は古いものと新しいもの、世界、価値観を描き、一番美しいメッセージ『希望』を表現していました。
(m.nibe)

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2006 公式HP
http://www.skipcity-dcf.jp/