チリ・フランス・アルゼンチン合作映画『プレイ』のアリシア・シェルソン監督と、音楽ディレクターのジョセフ・コスタさんが舞台挨拶とQ&Aを行った。

本作はたくさんの色と音楽に彩られた美しい映像に少し不思議なストーリーが組み合わさった、他にはない世界観を持っている映画。監督が子供時代に住んでいたという町・サンティアゴを舞台に、3人の男女の視点でストーリーは進んでいく。監督のセンスの良さがスクリーンから溢れてくる魅力的な作品だ。
また本作はチリ、フランスとアルゼンチンの合作映画だが、この2つの国が共同で作品を作るのは初めてのことだったそうだ。

アリシア監督はチリ人。キューバで映画を学び、シカゴでアートを勉強した後にチリで撮影した本作が初監督作品となっている。「初めての映画だったので、手始めに何をしていいのかよくわからないままスタートしました。長いプロセス中で大変なこともありましたが、全体的にスムーズにいきました。」と語った。

Q:いろんな音楽がミックスされていますね。
ジョゼフ:「チリという国はいろんな様式がミックスされています。だから音楽もチリの音楽だけではなく、ジャズなどの他の音楽も混ぜました。ある意味分裂しているようでもありますが、グローバルな意味を持たせたのです。」

Q:デジタルと現実が混ざる瞬間がありますよね。
監督:「一瞬だけクリスティーナにビデオの中のヒロインになって欲しかったんです。あれが現実に起こったことなのか、彼女の想像の中での出来事なのかは想像にお任せします。」

Q:監督は子供時代をサンティアゴで過ごされたそうですが、思いいれがあるのですか?
監督:「サンティアゴは住みにくい町です。ですがいいところも悪いところも一緒に見せたいと思ったんです。子供時代に育った町なので、私にとっては愛すべき町なんです。サンティアゴをテーマにした映画はないので撮りたかったというのもあります。」

Q:クリスティーナ役の女優さんのキャスティングにかなりの時間を費やしたそうですね。
監督:「6ヶ月ぐらいかけていろんな人を見ました。私が求めていたのは演技が出来て、クロースアップをすると存在感があるのに、町を歩かせると人ごみに消えてしまうような女優だったんです。」

Q:ゲームはお好きなんですか?
監督:「ゲーム自体よりも、人がなぜゲームをするのか?ということに興味があります。特に女性がファイティング・ゲームをやることは興味深いですね。」

Q:トリスタンが何度か人違いされるのには、どういった意図があるんですか?
監督:「彼は人生の中である種の転換期にいます。アイデンティティを失った状態でいるんですね。それは他の人に間違えられるくらいだったんです。」

(umemoto)

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