7月14日テアトル新宿にて、『日本以外全部沈没』の完成披露試写会が行われた。「ん?」と思った方、正解です。実はこの原典は小松左京の『日本沈没』。今回の完成披露試写会には、「あまりにも恐ろしい」ということで残念ながら出席されていなかったが、登壇者には原作の筒井康隆氏が登壇。「『日本沈没』あっての作品。アンチテーゼとなることを期待しております。めちゃくちゃな内容のはずなのに、意外とまとまっていておもしろいです。」と映画化にも大満足の様子だった。

河崎実監督は「監修を実相寺昭雄さんにやっていただいて、本当に自分は果報者だと思っております!国際情勢が緊張状態にある中、勇気ある作品となりました(笑)。」と作品について語った。今回の完成披露試写会には、アメリカ・中国・韓国・ロシア・フランスの大使館に招待状を送ったが、当然のことながら欠席の連絡を受けた、と観客に報告していた。

作品の中で、日本の代表安泉首相を演じた、村野武範さんはなぜかディバックを持って登場。古賀役の柏原収史さんがツッコむと「だって、すぐ帰るからさ!本当は皆さんに感想をお聞きしたいんですが、もうお寝むの時間なので。」と発言。作品ついては「面白いけど、かなりセコい映画ですよ!僕の名前だって、監督が勝手につけるし。」と監督に不満をぶつける姿に観客は大笑い。そして、今作の中ではかなりまともな役を演じた柏原収史さんは「現場は楽しくて、撮影期間は短かったですが、かなりよく出来た映画だと思います。」とコメントした。そして、後藤役の松尾政寿さんは「外人さんが現場をいつも半分以上占めていたと思います。その外人さんに演技始動をしている監督が面白かった。今日は楽しんで観て行って下さい。」と現場の様子についても話してくれた。
「僕としては、元祖『日本沈没』の藤岡弘、さんと村野武範さんが共演してくれて嬉しかった!小松先生にも、原作に登場するワタリ老人改め、フワタリ老人で出演依頼をしたんですが、断られてしまいました。今日面白いと思った方はお知り合いの方にすすめて下さい。」と河崎監督が場を締めくくった。

『日本沈没』とは真逆をいく『日本以外全部沈没』。映画界のみならず、ほかの分野でもかなり話題を呼ぶ事になりそうな予感。でも、面白い!
この夏公開です。

(ハヤシ カナコ)