今から40年前に話題を呼んだTVドラマ『柔道一直線』が9月21日にDVD-BOXを発売することになり、それを記念として主人公・一条直也を演じた桜木健一さんと、マドンナ”みきっぺ”を演じた吉沢京子さんが座談会を開いた。

熱い柔道青年が次々に現れる強敵を大胆奇抜な柔道技で倒していくという、夢とロマンの青春活劇である本作は放送当時に多くの人々を惹きつけた。原作は『あしたのジョー』や『巨人の星』等、数々の話題作を世に送り出してきた梶原一騎。キャストには主人公・一条直也に桜木健一、ヒロイン・高原ミキには70年代のアイドルだった吉沢京子、そして主人公のライバル・結城慎吾には”足でピアノを弾く転校生”という名シーンを残した近藤正臣が出演。40年前の作品とは言っても、現代に通じるものがある作品である。

”スポ根”の先駆け作品でもある本作には現代に忘れ去られているものがある、と桜木さんは言う。「『柔道一直線』は対象を子供にしつつも、大人の感覚まで引き上げた作品です。当時の子供達はみきっぺの大人びたセリフを聞いて、ものすごく大人の世界に入れたんじゃないかな。今の若い人たちに是非観て欲しいですね。今の彼らに欠けているモノがそこにはあります。根性だとか、スポーツで鍛えられたネバーギブアップ魂だとか。どうしてこんな日本になってしまったのか?と思うこともあり、悔しいと感じています。もう一度奮い立って欲しいですね。」

アクションが見所の大きな部分を占めている本作。「中吊りとか特殊撮影は時間がかかって間に合わなかったんですよね。自然にほとんど自分の体で表現していくようになりましたね。CGがなかったから出来たんじゃないかとも思います。必殺技も原作を越えたところがあると思います。殺陣師の方とマッチで技を編み出したりしましたね。また、この作品は国を大事にしていると思います。柔道は今やいろんなルールが増えてしまって日本のものではなくなってきていますが、この作品の柔道が持っている精神は国を大事にするところにあるんです。」と桜木さん。

また吉沢さんはこう言う。「この作品と共に成長させてもらいました。成長ざかりに撮った作品あったからなのか、私の一番の核になっているようです。当時は日本も私達も熱い想いをもっていた時代でしたが、今の時代はその熱さが足りないと思います。努力することはかっこ悪いことじゃないんだということを感じて欲しいですね。」

今の時代に生きる我々が忘れかけているものを思い出すきっかけとなるような『柔道一直線』を是非手にしてみてください。

(umemoto)