この夏最高の話題作とも言えるであろう『ゲド戦記』が遂に完成し、6日にキャストと監督、プロデューサーによる記者会見が行なわれた。
世界3大ファンタジーの1つである同名小説を原作とした本作の監督を務めたのは、宮崎駿の長男・宮崎吾郎。作品を完成させるまでにはいろいろな苦労があったらしい。「スタジオのスタッフに自分が監督をやることを納得してもらうのが大変でした。そうして大勢の方に助けていただいたり、たくさんの出会いもあって完成しました。自分が考えたものがいろんな人の手を経ていくうちに育っていくのを見るのは楽しくもあり、発見でもありましたね。」と語る。原作を選んだのは監督が10代の頃に読んで一番記憶に残っている本だったからだそう。「単なるファンタジーではなく、”人はどう生きればいいのか”が描かれていて、それを受け取ってカタチにしたかったんです。シリアスなストーリーではありますが、子供達の方がわかってくれるんじゃないかと思って作りました。」

また、長年宮崎駿と仕事をしてきたプロデューサーの鈴木敏夫さんは「一番気になる宮崎駿の反応ですが、打ち上げで「素直なつくり方でよかった」とのメッセージを頂きました。」とコメント。スタッフは緊張しながら宮崎駿さんの反応を待っていたそうだ。

本作で主人公・アレンを演じたのは岡田准一さん。アフレコは1人ずつ行なったそうで、この日の記者会見で初めて菅原さんと会えたことが嬉しい、と語った。「吾郎さんの才能や音楽の美しさなど、いろいろなものが集まった素晴らしい作品に参加できてとても幸せです。ジブリの作品である『カリオストロの城』を手をぎゅっと握って観ていたのを思い出しました。今回はアフレコでしたが、いつもと同じスタンスで臨みました。不安はありましたが特別何かをしたりはしませんでしたね。ジブリ作品に参加できるということで、初めて母親に「認める」と言われた作品でもあるので早く観て欲しいですね(笑)。」

テルーを演じ、本作の主題歌と挿入歌を担当したのは手嶌葵さん。テルーが歌うシーンを試写で観た時は、自分の歌声を聞いて恥ずかしかったと言う。「素敵な作品で、素敵な歌を歌えてとても幸せです。」と語った。
監督によると、テルーは手嶌さんからインスピレーションを得たところもあるそうで、イメージにピッタリだったそうだ。

またハイタカを演じた菅原さんは「おやじさんの作品の時よりも3倍くらい熱心にやらせてもらったので、作品のできも3倍くらいになってるんじゃないかなと思います。ゲド戦記の原作は2刊を飛ばして読んだのですが、勘が当たったようで3巻が映画の主体になっているそうです(笑)。監督はやっぱりおやじさんとよく似てると思いますよ。照れくさいところもあったでしょうね。」と語った。映画を観れば「菅原さんの声がなければハイタカは生まれなかった。」という監督のコメントに誰もが納得できるだろう。

命のあり方を教えてくれる、また生きていく勇気を観る者に与えてくれる『ゲド戦記』。公開が待ちきれない!!

(umemoto)