奇跡を映画化した『フラガール』の完成披露試写会で、フラダンスの披露、そして監督と主要キャストによる舞台挨拶が行なわれた。

物語の元になっているのは、昭和40年の炭鉱町で実際に起こった奇跡。町や家族、友人、そして自分のためにフラダンスに挑んだ少女達の物語である。田舎の炭鉱娘達にフラダンスを教えるべく、東京からやってくるまどか先生を演じたのは松雪康子さん。映画の中でガールズにダンス指導はするものの同じステージに立つことはなかった松雪さんにとって、この日は初めてガールズ達と共に踊る機会となった。「こんな思いで皆ステージで踊っていたんだ、というのがわかってドキドキしました。すごく楽しかったです!役作りは、まどか先生の生い立ちを考えると難しかったのですが、撮影していく中で映画と同じような体験をしました。皆で1つのものに向かって作り上げていく過程がとてもリアルに映っていると思います。」と語った。

ガールズを引っ張っていく存在とも言える紀美子役を演じたのは蒼井優さん。『花とアリス』での美しいバレエシーンが記憶に新しい蒼井さんは、この映画で初めてフラダンスに挑戦したと言う。「本当にフラダンスは難しかったです。センターで踊ったりしなくてはいけなかったので、プレッシャーも感じました。正直泣いたりもしましたが、皆を信じてやってきてよかったと思っています。この映画には感動だけじゃなく、皆の優しさが詰まっているんです。完成した映画を初めて観た時は感謝の気持ちが溢れてきました。」と語った。
そして、女優初挑戦となる南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代さんは「記者会見で私が全米を泣かせます!と言いましたが、本当にそうなるんじゃないかと思ってます(笑)。最後のダンスシーンで、うわ〜っと気持ちが溢れてきたんですが、それが伝わればいいなと思います。」と会場を沸かせた。

これまで『69 sixty nine』や『スクラップ・ヘブン』などで男性を演出してきた李監督は、本作では松雪さんを始めとする女優の魅力を十分に引き出している。「今回ほど自分以外の人に助けられたと思ったことはなかったですね。撮影現場では相当へこんでたんですけど、ダンサーズの全員の力に助けられました。やれるだけのことはやったので、後は観ていただいた方の感覚を信じます。」と語った。

最後に「”奇跡”というのは不可能なものではないんです。意思さえあれば、それは時代を変えて生きるほどの力になるんだ、というエネルギーを感じさせてくれます。」と締めた松雪さん。
映画『フラガール』で見せてくれた奇跡を垣間見た舞台挨拶だった。

(umemoto)