台湾、日本、タイが世界に放つ究極のアジアン・サイコホラー 『BLACK NIGHT』記者会見
日本のホラーが一番怖い、と謳われて久しい。しかし、それはもはや時代遅れ。日本に触発され、今アジアではホラー映画が熱い!そして、今回初の試みが行われた。台湾、日本、タイの3カ国によるホラー映画での競合企画が始動!3カ国を代表する新進気鋭の映画監督が、自国の首都に舞台を構え、女性を主人公にそれぞれ違った視点で繰り広げられる惨劇に身も凍ること間違いなし。その第一夜『隣人』に出演したディラン・クォと第二夜に出演した柏原崇による合同記者会見が都内某所ホテルにて行われた。
「日本は大好きな国。来日できて嬉しい。崇とまたいっしょに仕事ができてすごく嬉しい。崇は見た目もすごくかっこよくて、親しみやすいからいっしょにいてリラックスできるんだ。」と話すディラン・クォさん。
一方、柏原さんは「初めてディランに会った時、『あ!もこみちだ』と思いました(笑)。ディランはすごく背も高いし、フレンドリーで良い奴です。ただ、言葉でコミュニケーションが取れないことが残念でした。」と第一印象を話してくれた。
2人は香港映画祭の時に初対面を果たし、同い年だとわかり意気投合したとのこと。今回は3カ国のオムニバス映画であるため、撮影時はお互いが顔を合わすことはない。
今回このような企画に参加したことは2人にどのような心境の変化をもたらしたのだろうか。柏原さんは「撮影はもちろんみんな日本のスタッフなので、3カ国でやってるんだよなぁ、という風に感じることはありませんでした。でも香港で他の俳優陣に会い、同じ映画の宣伝をしていると実感した時、この企画に参加させていただけてよかった、と思いました。」と話した。
ディアン・クォさんは「“3カ国共同企画”ということで、良い意味での競争心を持てたと思います。同じテーマを取り上げることでのプレッシャーもありましたが、そのプレッシャーもまた『絶対がんばるぞ!』という気をおこさせてくれました。今までにない大変有意義な異文化交流になったんじゃないかと思います。」と話す。
ホラーという分野にはお2人とも苦労したことがあった、というエピソードも披露してくれた。「日本の“闇”では、CGが入るシーンがありました。もちろん撮影の時は出てこないので、イメージを膨らませることが大変でした。あとホラーというものも今までやったことがなかったので、驚き方もかなり考えました。」と柏原さんは、新しい分野での取り組みについて話した。また、ディラン・クォさんも驚き方で苦労したようで、「監督に『怖がる表情は本当にこわいと思わないとできない』と言われ、苦労しました。」と話した。
しかし2人とも本当に仲が良く、相槌や相手に合わせようとしている姿がとても礼儀正しい男性像を思わせた。一方役では、女性との関係における惨劇の主人公。実生活で、女の人で苦労したことなどあるのだろうか。「女の人は男よりも繊細で、図太い。そんなことを感じた時、男って弱いなと感じる。」と話す柏原さんに「こういう時は返事に気をつけたほうがいいよ。」とアドバイスをするディランさん。当の本人は「ありません(笑)」ときっぱり言い放った。
この3カ国の共同作品である『BLACK NIGHT』は香港映画祭で試写会を実行。それぞれに観た感想を伺った。
「“闇”は最後に怪物が登場するところが驚きました。“記憶”は悲しいホラーで、母と子の結びつきにつらいものがありましたね。僕が出演した“隣人”は恋愛において、うかつに約束をしてはいけない、ということを学びました。」と話すのは、ディランさん。柏原さんは「“隣人”は本当に色使いがきれいで、見とれてしまいました。
全作品で、テーマは違うのに、すべてに水が登場するところに、水への恐怖は世界共通なのかな、と面白みをおぼえました。あと、“隣人”でのあるシーンで笑いが起きていたところがあって。そういう部分は、香港ではありえないことであるようで、少しカルチャーショックを受けましたね。」と話してくれた。
ロードショーは今週末からだが、もうすでにアジア7ヵ国で上映が決まっている『BLACK NIGHT』。次回共演するなら「ぜひホモ役で!(笑)」と話すイケメンが恐怖におびえる姿をぜひ劇場でチェックして下さい!
(ハヤシ カナコ)