シンガーソングライターYUIの初出演映画となる『タイヨウのうた』が公開初日を迎え、東劇で出演者と監督による舞台挨拶が行なわれた。本作はYUIが演じる主人公・薫がタイヨウの光に当たることができないXP(色素性乾皮症)という病気を持ちながらも、恋をし、うたを歌い続けながら強く生きるという物語とYUIの切ない歌声で話題を呼んでいる。

初日の今日はもちろん満員。観客は配られたヒマワリを手に、映画のラストで薫が歌う「Good-bye days」を口ずさみながら出演者たちを迎えた。大勢の観客を前にしてYUIは「こんなにたくさんの方に観てもらえて、薫も喜んでいると思います。演じるというよりも雨音薫を生きたいと思ってやらせていただきました。彼女にとっても音楽が生きる支えであるところや、歌うことで真っ直ぐ生きていくところには共感しました。この映画を観て、優しい気持ちになってくれたら嬉しいです。」と語った。主題歌「Good-bye daya」はオリコン初登場3位という記録を出したYUIの新曲でもあり、この曲に込めた想いを「映画の全てを注ぎ込みたいと思いました。1つは好きになった瞬間から生まれ変わるような、今までの自分に”さよなら”という気持ち。もう1つは分かれに対する”さよなら”と”ありがとう”という気持ちを込めました。薫が残していきたかったメッセージだと思います。」と話してくれた。

「正直ここまで心に響くような、いいものが出来るとは思いませんでした。」と語る塚本高史さんが演じたのは、薫が恋をするサーファー好きの少年。塚本さんに助けられて歌いました、というYUIとの共演について「表現するという次元では同じであっても、表現方法が違うミュージシャンの方とできて楽しかったです。」と語った。

元々は香港映画のリメイクとして始まった企画から生まれたこの作品の監督を務めたのは、劇場長編映画デビューとなる小泉徳宏。「撮影中は大変なこともありましたが、『タイヨウのうた』を作ってよかったと思っています。支えてくれた人たちもいますし、いい出会いがたくさんありました。難病や悲恋モノが流行る時代の中で、何か新しいものを作りたかった。真っ直ぐで素直に生きる姿を伝えたかったんです。」と語った。

薫の真っ直ぐな気持ちや、それを暖かく受け止める周りの人々の愛がたくさん詰まった本作を大切な人と一緒に観て欲しいです、とYUIは舞台挨拶を締めた。この映画を祝福して咲いたヒマワリの美しい景色は薫の歌声のように観客にも、彼女らの中にも残るだろう。

(umemoto)