ピクサー・アニメーション・スタジオズの中心的人物として、「ファインディング・ニモ」、「Mr.インクレディブル」を2年連続アカデミー賞作品賞受賞の栄冠に導き、いまや世界を代表するトップ・クリエイターとなったジョン・ラセターとプロデューサーのダーラ・K・アンダーソンが、日本でのプロモーションのため来日。昨日行われた記者会見に続き、今日は六本木ヒルズアリーナにて、ジャパン・プレミアのイベントに登場した。

昼過ぎから降りだしたあいにくの雨にも関わらず日本全国から多くの報道陣が集まった。その数はスチールカメラ50台、テレビカメラ50台にものぼり、作品の注目度の高さをうかがわせた。イベント会場には映画に登場するアニメーションの車たちを忠実に再現して作られたオブジェと、3台の本物のクラシックカーが展示された。
来場ゲストにはまず、映画の日本語版吹き替えでイタリアの車役を演じたパンツェッタ・ジローラモ氏、実況中継をするアナウンサー役を演じた赤坂泰彦氏などが登場。続いて、大の車好きということで招待された朝赤龍関、今、大人気の琴欧州関ら、超大物ゲストが来場した。そしてピンクのキャデラックで現れた監督のジョン・ラセター、プロデューサーのダーラ・K・アンダーソンは、集まった報道陣に向けて1台1台のカメラに丁寧にインタビューに答えながら回った。
今回は「カーズ」の“キャンギャル”に選ばれた森三中の3人もド派手なミニスカート衣装で来場。ラセターとアンダーソンに花束を渡し、「日本中の子どもから大人までみんなにこの映画を観てもらうためにガンバリマス!」とキャンギャルとしての意気込みを語った。
その後舞台上では、「カーズ」の公開を控え以前から一般を対象に行われていた“ディズニー/ピクサー人気コンテスト”の結果発表が行われた。キャラクター部門では「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーが選ばれた。すると、最後のゲストとしてバズの日本語吹き替えを担当した、所ジョージ氏がものすごい轟音のエンジン音を響かせながら、自前のシェルビーコブラで登場。実はこの日展示されていたクラシックカーも大の車好きとして有名な所氏が所有しているものであった。ラセターから「カーズ」オリジナルのライトアップサインボードが記念品として贈呈されると「来た甲斐があった!」と喜んだ。ラセターは「(所氏は)バズですばらしい吹き替えをしてくれた!これからもずっとバズの役をよろしく!」と肩をたたいた。映画の感想について聞かれると所氏は「車の描かれ方がすごく細かくて、監督が実は神経質で細かい人だってことがよくわかった。こんなに細部まで観てるのは、日本中でボクだけだと思うよ。」と答えた。そして「この映画は大人の人情映画。子どもが観てももちろん楽しめるけど、子どもには大人になってからもう一度観なおしてほしいと思う。」と映画の感想を述べた。「もし半年前に今日の話を持ってきてくれれば、映画に出てくるクルマたちを実際にボクが作ったのに。」と悔しそうな様子も見せた。
『カーズ』は6月9日(金)全米3985館で封切られ、オープニング3日間の興行収入6280万ドルという圧倒的な成績で「ダ・ヴィンチ・コード」「X−MEN ファイナル ディシジョン」など並み居る大作を蹴落としNO.1大ヒットを記録した。この数字は、同じディズニー/ピクサー作品でアカデミー賞を受賞した『モンスターズ・インク』(01)の6258万ドルを上回る数字となった。日本では7月1日(土)全国ロードショーとなる。