6月3日『転生 TENSEI』の初日舞台挨拶が、澁谷シネ・ラ・セットで行われた。当日は、前園俊子役の小野まりえさんが、感極まり泣き出してしまい仲間がフォローするというワンシーンもあり、会場は感動的な雰囲気に包まれた。

『転生 TENSEI』は復興の60年代、バブルの80年代、飽和の00年代を生きた女たちの物語。22歳で死ぬ事を運命づけられた各時代の女たちの魂が、さまよい、宿命に立ち向かう、といういままでにホラーの新境地を開拓した。

監督の元木隆史監督は「この新しいホラーファンタジーを感じて欲しい。」とコメントした。復興の60年代の女殿山小梅を演じたのは今回が初演技という鷲巣あやの。「今回が初めての演技だったので、緊張しました。現場では共演している河合青葉さんのマネばっかりさせてもらってました(笑)。」と当時のエピソードを話した。監督から「でも最終日には良い演技ができるようになった。」と賛辞をもらい、素直に喜んでいた姿が印象的だった。

そして、80年代の女前園俊子役の小野まりえさんは役とは違い、ころころと表情が変わり、周りの雰囲気を明るくする爽快な女性で「撮影中はひとりでご飯を食べている監督のところに行って、いろんな話をしました。私、作品の中で一度も笑ってないので、俊子のイメージで私を捉えられてしまっては困るので、今日皆さんに会えてよかったです!」と元気よく話した。

一変して、00年代の女三上春香役の前田綾花さんは作品の中の雰囲気とさほどかわらない、自然体でミステリアスな印象だった。監督も「まったくしゃべらない役なので、やっと一言話した時に、前田さんはこういう声だったのか、と思った。」と新たな発見(?)をしていた。「私、ホラーと走ることが大嫌いだったんですけど、この作品の中でどちらもやりました。特に走るシーンで、最後倒れこんでるんですけど、本当に倒れてたんですよ。」と淡々と語っていた。

そして、00年代に登場する大場はるかさんと、安奈ともさんはそれぞれ「始めての演技だったけど楽しくて、地元の中学生達とも仲良くなれてよかった。」「綾花ちゃんがまったくしゃべらないので、長いセリフをがんばりました。」と出演しての感想を話した。

彼女達は今後の芸能界を背負って立つ存在。今後もたくさんの作品に出演して、すばらしい女優へと変貌を遂げていってほしい。彼女たちの屈託のない笑顔を見ていて、そう願った。

(ハヤシ カナコ)