ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2006でスペシャルプログラムとして上映された『いんぷりんと〜ぼっけえ、きょうてえ〜』が一般上映されることになり、27日に初日を迎えた。
会場は立ち見がでるほど超満員!本作への観客の期待が感じられた。この日は公開初日記念として三池崇史監督、工藤夕貴さん、美知枝さんが上映前に舞台挨拶を行った。

本作はホラー監督13人が結集して極上の恐怖映画13本を作り上げた『マスターズ・オブ・ホラー/恐-1グランプリ』の中の1本で、劇場版はTV放映版よりも長い63分バージョン。アメリカでの放送が断念され、映画祭でも人々を騒然とさせたこの作品について監督は「自分としてはすごく気に入ってる作品で、とても美しい映画だと思っています。」と語る。出演することを周りから反対されたと言う工藤さんは「素敵な才能を持っている方と交流できたました。これはホラー映画じゃなきゃできなかった出会いだと思います。ホラー万歳!!(笑)」と語り、美知枝さんは「日本での公開が難しいと聞いていたので、今日という日を迎えることができて嬉しいです。」と語った。

アメリカのケーブルTVで放映を拒否されたことについて「劇場で観てもらえるのは本当に奇跡!美しすぎて拒否されたんじゃないですかね(笑)。カテゴリーにハマらないものですし。」と監督。ハリウッド映画の現場を経験している工藤さんは「三池組は本当に楽しかった!日本人のアイデンティティを感じましたね。日本の文化というものを血の中に持っているんだと思います。現場ではみんな働きたいから働いているんだ、という空気があって生き生きしてました。好きなことをやっている力というのを感じて、それはまたアメリカとは違うものでした。日本の現場はやっぱり辞められないですね!」と語った。

また、三池監督のアメリカデビュー作になっている本作。全編英語のセリフであることについて美知枝さんは「英語は工藤さんに教わりましたが、やはり難しかったですね。日本訛りの英語を使っているんですけど、発音やアクセントのせいで外国人の方は理解してくれなかったこともありました。」工藤さんは「それぞれのキャラクターの個性が英語に出てますね。」と話してくれた。日本訛りの英語は狙いだったのですか?との質問に監督は「一つの狙いではありました。言葉の問題というのは壁としてあると思います。それを崩せれば見せれる場所が広げていける。欧米の人が日本人をまねて訛った英語を話すようになればいいですね。」と答えた。

この映画について一言。
工藤さん:「この映画に出ることで、私にケンカを売る人がいなくなればいいなと思います(笑)。」
美知枝さん:「とにかく本当に怖いです。心して観てください!」
監督:「今晩観終わった後、素敵な夜になるますように!真剣に楽しんで観てもらって、打ち返す映画だと思います。ビリーと一緒に旅をして、工藤さんの話を真剣に聞いてあげてください。口伝に語り継がれることに原点があります。入り込むほど地獄に堕ちていけますよ(笑)。地獄を抜けた後は希望が見えますので。」

映像化絶対不可能と言われた岩井志麻子原作「ぼっけえ、きょうてえ」を映像化し、”この世でもっとも怖いホラー映画”と評された『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』を是非劇場で自分の目で確かめてみてください。

(umemoto)