塚本晋也監督最新作!松田龍平、hitomi、安藤政信出演、『悪夢探偵』制作報告記者会見!
「ああ、いやだいやだ、ああいやだ。
ああああ、いやだ、いやだいやだ。」
他人の夢の中に入れる特殊な能力を持った青年。
人々は彼のことを「悪夢探偵」と呼ぶ。しかし彼は、その力を望んではいなかった……
塚本晋也監督最新作『悪夢探偵』の制作報告記者会見が5月11日グランドハイアット東京にて行われた。
20年前から構想を練り、実現する機会を伺っていたという「悪夢探偵」。監督は江戸川乱歩など探偵ものに憧れがあったという。最初は映画という形では考えていなかったそうだが「最終的に映画というメジャーな形で映像化できるようになって嬉しいです」と語る。
“年齢を超越した佇まいで、(現場などで)見る度に“悪夢探偵だ!!”と息をのみました“と監督に言わしめるのは、悪夢探偵こと影沼京一を演じた松田龍平。「夢と現実とを行き来する役。その2つのメリハリをつけるのが想像がつきませんでしたが、その想像のつかなさを楽しみました」夢に入る時は裸にマントという出で立ち。「裸での撮影は寒くて大変でした。血糊もつけていたので、血糊と寒さで、もうどうでもいいやみたいになっていました。(笑)撮影中は、塚本監督にパワーを貰いながら演じました」。
ホラー好きであり、10年前に塚本作品を観てから一緒に仕事をしたいと思っていたという若宮刑事役の安藤政信。「ずっと監督に片思いをしていたので、念願が叶いました。撮影中はずっと興奮しっぱなしで、ずっとこのまま続けば良いと思う位楽しかったです。(まだ作品の完成はしていないが)絶対に凄いものになると思います」。一方、監督は『キッズ・リターン』の頃から安藤に注目していたという。「雑誌で対談をした時、イメージしていたのと違い、ホラー好きで“グリーンのスライムに官能性を感じる”と言っていたので自分の作品にも出演してもらえそうだと思いました(笑)」。
本格的な映画初出演となるhitomi。ホラー映画は嫌いとのことで「『鉄男』を観て、ちょっと無理かも……という感じでしたが(笑)、いくつか作品を観るうちに、メッセージ性の強いものが多いと思いました。私自身歌詞を書くのでどこか通じるものを感じました。とにかくやってみなければ分からないということで、挑戦しました」撮影については「水に入るシーンですっと入るつもりだったのに、溺れかけることもありました。(笑)私だけ最後まで撮影があったので、一人でテンションが続くかと心配でしたが、スタッフが温かく支えてくれたので最後までテンションを保つことが出来ました。どういう作品に出来上がるのか楽しみです」。
監督は『悪夢探偵』について、「勝新太郎さんの『座頭市』が自分にとっての『鉄男』だとすると、『悪夢探偵』は『兵隊やくざ』のようなものです。松田龍平さんに嫌われない限り色々な形でシリーズ化を考えています。『悪夢探偵』は始め娯楽90、カルト10位の割合で考えていましたが、両方とも160位でいきたい。一瞬でも気を抜くとつまらなってしまうので、最後まで気を抜かずに仕上げたいです」。
20年温めてきただけあり、並々ならぬ意気込みを感じさせる記者会見となった。
(t,suzuki)