5月10日(水)映画『ストロベリーショートケイクス』の完成披露試写会に伴い、TOKYO FMホールで監督と出演者による舞台挨拶が行われた。

『ストロベリーショートケイクス』は魚喃キリコの傑作コミック『strawberry shortcakes』を矢崎仁司監督が映画化したもの。性格も職業も異なる4人の女性が恋愛、仕事、友情を通してアイデンティティを模索する日々を描いた群像劇である。脚本は矢崎監督のファンだという恋愛小説家、狗飼恭子。恋に落ちた女性を優しいまなざしで包みこむ珠玉の感動作となっている。

また本作はキャストも豪華だ。恋の訪れを待つフリーターの里子に池脇千鶴、一人の男を想い続ける人気デリヘル嬢の秋代に中村優子、結婚願望の強いOLのちひろに中越典子、過食症のイラストレーターの塔子に岩瀬塔子。そして秋代が想いを寄せる菊地役に安藤政信、ちひろの恋人・永井役では加瀬亮が出演している。

「見終わった後に例えば家に帰る道を遠回りしてみたりしたくなるような、生きてる途中で弱くなった時に会いたいなぁ、と思ってもらえるような映画を作っています。」と言う監督。『strawberry shortcakes』を映画化したきっかけについては「原作を読んだ後に、登場人物を抱きしめたくなるぐらいに好きになりました。これがこの映画の底にあるエネルギーですね。」と語った。

演じてみてどうでしたか?
池脇:「4人とも共感できる部分があるんですよ。4人の要素をかいつまんだのが自分だと思ってしまうくらいです。私が演じた里子の強くて凛とした生き方には憧れます。4人が一生懸命生きていて、魅力的で愛しいです。」
中越:「演じた今となっては、ちひろが一番好きですね。あえて好まないキャラなんですが、演じてみて自分と共通するところがあって驚きました。」
中村:「4人がそれぞれ自分の分身みたいに感じました。一途なところがあって一見強く見えても、もろさはあるんですよね。」

この映画の見所は?
池脇:「この映画の主題歌でもあるmount sugarの「光が消える前に」を含めて全部が好きな作品なので、是非観て下さい!」
中越:「それぞれが自分の思いで観てくださればいいと思っています。この映画は私にとって忘れられないものになっているので、観てくれた方の人生の中に、この映画で残れれば嬉しいです。」
中村:「人が真剣に生きれば生きるほど、その体験というのは鮮やかになって、生まれてくるものは誰にでも共通するものであったり普遍的なものであったりするんですよね。この物語は皆さんの物語でもあると思います。」
監督:「私の映画は美術館みたいなものだと思っています。見てもらうだけじゃダメなんです。そこから感じてもらいたいんです。きっと皆さんの心のどこかにひっかかる映画になっていると思います。」

この映画の主題歌を歌っているmount sugarは今年2月から”ストロベリーショートケイクスを巡る唄の旅”と題したマンスリー・イベントに出演中。映画を見る前に、このやわらかい音楽にひたってみては?

(umemoto)

□今秋、渋谷シネ・アミューズ他にて全国ロードショー!