5月9日ヤクルトホールにて「青いうた〜のど自慢 青春編〜」が行われた。井筒和幸監督の『のど自慢』に託された思いを受け、井筒監督の後輩達によって青森県むつ市で製作された作品が、昔懐かしい歌にのって東京までやってきた。

大湊中学校の問題児・山崎達也(濱田岳)は、父が残した苦い経験もあり、『世の中は金だ』、と思い込んでいる。むつにいたってしょうがないという気持ちが先立ち、中学卒業と同時に上京し、お金持ちになることを夢見ている。むつに残り、美容師になる夢を胸に日々頑張っている恵梨香(寺島咲)をおいて・・・。そんな恵梨香の姿を見て自分が恵梨香の力になれないか、と考える俊介(落合扶樹)。離れ離れになった兄や、変わっていく恵梨香と俊介のことを変わらず見つめる弟・良太(富浦智嗣)。ド派手なアクションシーンだって、ラブシーン(!?)だってないけれど、この映画には胸に染み込む暖かいものがある。それは、この4人を包むむつの自然や、彼らを見守る周りの大人の姿、そして彼らの生きようとする真摯な姿勢からくるものなのかもしれない。久しぶりに爽快な青春ムービーだ。

会場には、沢口俊介役の落合扶樹さんと、南恵梨香役の寺島咲さんが登壇。会場では、苦労した方言の勉強法や、現場の雰囲気などについても話が広がった。撮影は2週間ほどで、その間はマネージャーもいない合宿状態でいたせいか、みんなとても仲良くなれた、と寺島さんは話す。作品の見所について、落合さんと寺島さんに聞いてみると、
落合:「きっとここにいるだれもが感じたことのある思いがつまっている作品だと思います。楽しんで観て頂きだいです。」
寺島:「恋愛や、友情、あと家族の愛などいろんな形の愛がこの映画にはつまっています。その愛を感じて欲しいです。」
と語ってくれた。

残念ながら会場には来ることができなかった濱田岳さんと富浦智嗣さんからメッセージが届き、4人の友情は復活。一般公開時にはぜひ4人揃って感動の輪を広げて欲しい。

(ハヤシ カナコ)