5月8日、『アンジェラ』の公開直前来日記者会見が丸ビルホールにて行われた。『レオン』『ニキータ』のリュック・ベッソン監督最新作となる『アンジェラ』。
タイトルの由来について監督は「主人公のアンジェラとアンドレは本当は一人の人物。一方は金髪で美しい女性で、もう一方は冴えない男。一人の人間を哲学的に説明したくて『ANGEL・A』という表記にしました」と語る。モノクロで制作した理由について「この映画では全てが対称になっています。背が高くて金髪の美しい女性と小さくて冴えない男性。空と地。黒と白。モノクロにすることは必要条件でした。また、白黒にすることでシュールな世界観となり、詩情も出すことができました」
監督第一作目『最後の戦い』もモノクロ作品だったが、それ以外でも共通点があるという。「『アンジェラ』のラストのセリフは“私は自由である”というものなのですが、これは『最後の戦い』のラストのセリフでもあります。試写を観てこれに気づいた時、ショックを受けました」。
アンジェラを“コーヒーとシガレットが好きなビッチ”と説明するリー・ラスムッセンは、スーパーモデル、女優として活躍するかたわら、映画監督という顔も持つ。制作した短編作品はカンヌ映画祭の短編部門に正式招待もされた経歴をもつリー・ラスムッセンにとって『アンジェラ』への出演はこれ以上ない勉強の場だったという。「モデルでは肉体、絵を描く時は魂、監督をするには脳を使いますが、今回の役にはその全てが必要でした」。
また、今回の役を演じるまではフランス語を話したことはなく、3ヶ月間フランス語の特訓をしたという。「『アンジェラ』への出演は宝物のような映画体験でした」と話した。
リハーサルで観たシーンがとても強烈だったという監督。「ジャメルはとても汚いジャケットが似合っていて、リーがやって来る。彼女は安心しきった微笑みを浮かべ、彼はどうしたらいいのだろうという表情をしている。この2秒間の視線を見た時、この作品はうまくいくと確信しました」と自信を表した。