4月27日、月島ブロードメディア・スタジオにて主演キム・ナムジン氏の公式初の来日記者会見が行われた。「プライベートではよく日本に来ています。東京はもちろん、大阪、神戸、…東京でお気に入りの場所は森アートミュージアムや、表参道ですね。たくさん人がいるので、人の波から気をもらっていつも新たな気分で韓国に帰っています。」と、にこやかな表情で話してくれた。

その無邪気な表情からは作品中の純粋なドンハの顔が浮かぶ。「最初に脚本を読んだ時、こんなおバカさんがまだいたのかと思う反面、自分に演じられるだろうかと悩みました。普段の僕を知っている仲間には、ドンハを演じている僕を観て『なんだよあの顔』っていう風に受け取られるくらいでしたからね。ただ、自分にできることは不器用なヒョンチェを愛することしかない、と思いました。ヒョンチェへの愛は、『愛さなくちゃ』から『愛してる』へ、そして『愛するのをやめようか』と形を変えていくうちにいつの間にか撮影は終わってしまいましたが。(笑)でも、ドンハを演じているうちにこの葛藤も含めて、気持ちの変化が自然に表れているのではないか、と感じました。この作品を通じて、改めて演技とはどういうものか考えさせられました。」と役作りについて語った。

韓国のカメラマンが最も美しいモデルというくらいの人気モデルであるキム・ナムジン氏。モデルと俳優業の両立をする自己像についての考えも述べてくれた。「どちらかを選べと言われるとすごく難しいです。父と母どちらが好きか、と聞かれているようなものですね。(笑)ただ、今は俳優が天職だと思っているので、俳優業に力を注ぎたいと考えています。あるミュージシャンの考えに感化されて、『3ヶ年計画』というものを立てたんです。たとえ達成できなくても、近くまでいくことができればそれは僕にとってプラスになりますから。あと2年で俳優として認められるようにがんばります。もしできなかったら、1年計画にしてがんばります。(笑)」

キム・ナムジン氏にとって、『春の日のクマは好きですか?』はどういった位置づけになったのか?「共演したペ・ドゥナ、ヨン・イ監督、スタッフの皆さんに支えられてやっと完成した僕の大切な作品です。同い年の人が多くて、大学のサークルのノリで作っていった部分があります。その雰囲気が作品からもにじみ出ているかと思います。ドンハがヒョンチェにビタミン剤とマッサージ機を渡すシーンがあるんですが、そのシーンで僕はヒョンチェに『ドンハ!』と呼ばれて、ふいに涙が溢れ出してきて止まらなくなったんです。スタッフも監督もびっくりしていて。そのシーンは本当は感情を抑えて演技しなくてはいけなかったので、本編で使われているものは、僕が泣き止んだ後に撮影したものです。でも監督は僕はわんわん泣いたフィルムをご自身で持っていると伺っています。このエピソードも僕は大好きです。」と話した。

「今、大好きな人がいる人も、愛したい人を探している人にも、1人でも多くの人に観ていただきたいです。」と心温まるメッセージを残してくれた。

顔もスタイルも悪くないのに、フラれ続けているヒョンチェ。そんなある日、お父さんに頼まれた図書館の美術書に愛のメッセージを発見する。そして始まる運命の恋人探し!ヒョンチェはこのメッセージの送り主を見つけられるのか?そして純粋で熱いドンハの愛のやじるしは?

(ハヤシ カナコ)