4月18日、『V フォー・ヴェンデッタ』制作のジョエル・シルバー、ジェイムズ・マクティーグ監督、そして“V”を演じたヒューゴ・ウィービングの来日記者会見が行われた。

正体不明、経歴不詳、善か悪かの判別不能——。
世の中の不満を片っ端からぶち壊していく救済者にして、
社会の治安も秩序も吹き飛ばすテロリスト“V”…
国家に破壊を仕掛ける男、“V”とはいったい何者なのか!?

脚本/製作を担当したアンディ&ラリー・ウォシャウスキー兄弟、制作のジョエル・シルバー、ジェイムズ・マクティーグ監督など、マトリックス3部作チームで製作された『V フォー・ヴェンデッタ』。
制作のジョエルは、80年代半ばに、原作コミック『V for Vendetta』を読んだという。「全て白黒できっちりとした四角の中に描かれている劇画がとても面白く、普通の漫画とは違うと思いました。まるで未来に設定をした時代劇のようで、読んだ時に映画に適していると思いました。ウォシャウスキー兄弟は90年代半ばに漫画を初めて読み、映画化の話があがりました。マトリックスシリーズが完成した後に、彼らから『V フォー・ヴェンデッタ』を映画化したいという話がきて、『マトリックス』チームで制作することになりました」。

“V”を演じたヒューゴ・ウィービングは、マスク、帽子、手袋を身に着けての演技について「コスチュームを付けることによって嫌でも“V”になることができました。映画、舞台での両方の演技の経験が役にたっていると思います」。
初共演となったナタリー・ポートマンについては「彼女はとてもユーモアがあり、女優としての手腕もあります。とてもハートの温かい人で、関わった皆が好きになるような女性です」と語った。
また、ヒューゴにとってのヒーローはどういう人かという質問に対しては「いわゆるパーフェクトな“ヒーロー”には私は共感することが出来ません。欠点があるヒーローが好きです。多次元的なヒーローという意味では“V”は本当のヒーローだと思います。私たちの周囲にヒーローがいるならば、皆の耳に入らないようなところいると思います」と答えた。

政治色の強いメッセージが込められている『V フォー・ヴェンデッタ』。今、映画を公開したのは、今日の政治状況と関係があるのかという問いにジョエル監督は「原作のコミックはサッチャー政権についてコメントしています。民主主義の世界において今日、または未来に起こりうる物語なので、今日の問題にも照らし合わすことができると言えます」
“V”について「彼はアンチヒーローだと思います。正しいことと間違えたことの線がぼやけており、どちらでもあると言える存在です」と話した。

また、会場にはエロテロリスト、インリン・オブ・ジョイトイが登場。胸元と背中の2箇所が“V”に開いた艶やかな赤のドレスで、来日ゲストらに花束を贈呈した。
(t,suzuki)

★4・22(土)、渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

□作品紹介□『Vフォー・ヴェンデッタ 』