「決定的瞬間」の写真家、アンリ・カルディエ=ブロッソン。写真嫌い、インタビュー嫌いで知られるカルディエ=ブロッソンが死の2年前、自らその芸術を語った遺言ともいうべきドキュメンタリー『アンリ・カルティエ=ブロッソン 瞬間の記憶』。この日本公開を記念して、妻であり、自らも写真家であるマルティーヌ夫人が来日。記者会見が行われた。

78年、カルディエ=ブロッソンと一緒に来て以来の来日だというマルティーヌ夫人。インタビュー・写真嫌いで知られるカルティエ=ブロッソンについて「撮影当初は、『顔は写すな』など、監督を困らせることもありました。ただ、撮影を進めるうち、監督と意気投合し、結果的に満足いく作品となりました」とエピソードを明かした。
また、夫としてのカルティエ=ブロッソンについては「人間をとても愛しており、周りの人に愛情を注ぎ、相手の立場に立って考える人でした。私が撮影で旅行に行く時も、嫌な顔ひとつせずにいつも励ましてくれ、妻としてはとても幸福でした。娘がいますが、とてもよい父であり、よいおじいちゃんでした」。
世界的に有名な作品について自ら語るなど、貴重な映像満載の『アンリ・カルティエ=ブロッソン 瞬間の記憶』は5月20日 ライズXを皮切りに、全国ロードショー。
(t.suzuki)