4月8日(土)押井守監督の最新作『立喰師列伝』の初日公開に伴った舞台挨拶が渋谷シネクイントで行なわれ、押井守監督、石川光久、吉祥寺怪人、兵藤まこ、神山健治、品田冬樹らがこの作品について語ってくれた。

『イノセンス』やその前編とも言える『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』で世界の映画人を震撼させ、魅了しつづける押井守監督。その最新作である『立喰師列伝』はアニメーションの原点<ペープサート>を原型にした、全く新しい映像技法「スーパーライヴメーション」を駆使したコメディ。
映画の舞台は飲食店。主人公は、立ち喰いのプロ。あらゆる飲食店を戦慄させた立喰師と、飲食店主たちの大真面目な、だからこそ可笑しい対決を描いている。

本作について押井監督は「好き勝手に作ったので、今はかなり憂慮しています。自分としてはよくできた子だと思ってはいるんですが、どうも似すぎているのが問題かもしれません(笑)」と語った。

普通の撮影とは違ったと思いますが、とまどいはありましたか?
兵藤:「妖艶なケツネコロッケのお銀を演じようと思っていたのに、結局は監督に悲惨な状態にされて(笑)きれいなままでは終わらせてくれなかったんですよ〜(笑)」
吉祥寺:「自分でできあがったものを見ると、ぎょっとしますね(笑)」
神山:「監督の作品にゆかりのあるメガネというキャラで出させてもらって戸惑いました。炸裂していると思うので観て下さい!」

参加の理由は?
品田:「20年前に作品に参加させてもらって、またソバ屋役で出してくださいって言ってたんですよ。そしたら前作と同じ名前で出してもらえました(笑)」

手ごたえは?
石川:「押井監督のための映画を作ろうとして、人的資源を最大限利用できました。人と客を引き込む魅力のある映画だと思います!」

これから観る方に一言お願いします。
監督:「あんまり期待しないで観てください。映画というのは、たまたま通りかかった感じで観ると素の経験になるんですよ。一生懸命観れば観るほどおもしろくなる映画です!意外なところに意外なものが見つかるかもしれませんよ。」

また、今回の舞台挨拶ではシネクイントとの企画で観客1人に<シネクイント1年間フリーパス>と<押井監督の将来作出演権>というサプライズプレゼントが用意されていた。「『立喰師列伝』を立喰師を25年描いてきた区切りにしようと思っていたんですが、また作るかもしれないという予感が少しあります。そうなるかはわかりませんが。」と語る監督。今後も多くのクリエイターに影響を与えつづけて欲しい。

(umemoto)

□4月8日渋谷シネクイント他全国ロードショー!
『立喰師列伝 』