2月28日(火)、都内で『SPIRIT』の来日記者会見が行われた。会見に参加したのはジェット・リー、中村獅童、原田眞人の豪華キャスト。そして本作の監督、ロニー・ユー。

主演のジェット・リーが演じるのは、実在した人物フォ・ユァンジア。『SPIRIT』は、ブルース・リーら多くの武道家の原点ともなった彼の物語を描いている。ジェット・リーは本作について「人生において最も重要な作品。8歳から武術をやってきたのですが、今回は武術に対する理解や人生に対する態度を取り入れました。”武”という文字は分解すれば矢を止めるという意味であり、”暴力を止める”という意味でもあります。表面的には戦っているのですが、その裏にあるのはいかにして戦争や暴力を止めるかです。平和に対する期待を込めています。」

ジェット・リーさんは中村獅童さんの武術的センスをどのように感じましたか?
ジェット・リー:「この映画の中には本物の武道家に出演してもらっているのですが、最後の相手には心の中に真の理解がある人を求めていました。精神的に理解できることが大事だったのです。彼は自分に挑戦し、勝つことを理解できているから、どこの国に行っても素晴らしいパフォーマンスができるでしょう。」

フォ・ユァンジアを演じることで現代に生きる私達に伝えたいメッセージはあったのですか?
ジェット・リー:「幸せは自分の中にあるんだということです。私達人間は、葛藤していろんな苦労をします。フォ・ユァンジアは強くて、誰も敵わないけれど、自分自身に負けます。相手を倒すのが目的ではなく、自分と戦って自分に勝つことが幸せだと思うんです。」

中村獅童さんにとっては初めての外国映画ですが、ジェット・リーさんとの共演はどうでしたか?
中村獅童:「ジェット・リーさんのファンだったので、作品に参加できるとなってすごく嬉しかったのですが、演じた田中という役はジェット・リーさん演じるフォ・ユァンジアと対等な役だったので、現場で会う時に卑屈になったりはしませんでした。後で映画を観た時は客観的に観れました。今から思うと撮影は夢のようでした。」

出演を決められたのはなぜですか?
中村獅童:「アクションというよりも精神世界という内面を表して欲しいと言われました。今まで壁にぶち当たった時、そこには逃げたい自分もいて。ずっと自分自身との戦いだと思ってきました。作品のテーマがこれと似ていたので、つきつめたいと思いました。」

撮影はいかがでしたか?
原田眞人:「最初役名が統一してなかったんですよ(笑)。撮影中は暑かったです。同じ熱気をもって最初から最後までやるというのには心うたれましたね。」

ロニー・ユー監督は『SPIRIT』の世界を、どのような世界にしようと思っていたのですか?
監督:「本作の俳優には最高のアクションスターに、日本のクールな中村さん、そして愉快で悪そのものといった感じの原田さん(笑)に出演してもらえて、本当に幸せです。すぐにお願いしようと決めました。中村さんには田中の想いを理解して演じてもらうことを求めてました。本当に素晴らしかったです。」

(umemoto)

□3月18日(土)より、サロンパス ルーブル丸の内系にて全国公開!
『SPIRIT 』