2月27日(月)、『かもめ食堂』の完成披露試写会に伴なって舞台挨拶が行われた。舞台に現れたのは主演女優・小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ。そして本作の監督・萩上直子、映画のために「かもめ食堂」を書き下ろした作家の群ようこ。

本作は、フィンランドの首都・ヘルシンキの街角に日本人サチエ(小林聡美)が開店した「かもめ食堂」を舞台に繰り広げられる、懐かしくて何だかおかしい日常を描く、ちょっと不思議な物語。
また、本作は邦画初のオール・フィンランド撮影。共演者にもマルック・ペルトラ(『過去のない男』)といった魅力的なフィンランドキャストが参加している。

フィンランドでのロケはどうでしたか?

もたい:「フィンランドは日本人の感覚に似ているところがありますよね。」
小林:「感情の表現の仕方が静かなところが似ていますね。ホントに居心地がよかったので帰りたくなかったです。」
片桐:「最初は街のリズムに馴染むのが大変でした。でも馴染んでしまえば楽しかったですね。街に流れるリズムが日本とは違うというのを感じました。」

萩上監督と群ようこさんはフィンランドに行かれたんですか?
群:「行ってないですね。カウリスマキの映画が好きなので映画は観てましたし、後は観光ビデオ2本と地図帳と旅の指差し単語帳が資料でした。」
監督:「私もカウリスマキの映画が好きで。フィンランドにはどんよりしたイメージがあったんですけど、実際は空は青くて高くて。空気は澄んでいて、のんびりしてました。」

今回はフィンランドのスタッフも多かったそうですが?
監督:「映画を作るペースがゆっくりしているので、最初は慣れなかったんですけど、彼らの良さに引きずり込まれていきました。」

原作と、出来上がった映画とを比べるとどうですか?
群:「映画の方が優しい感じですね。試写を観た時、原作になかったシーンが素敵だと思いました。自分が実際フィンランドに行っても書かなかっただろうというようなシーンでしたが、よかったです。」
小林:「映画ではわからない背景が原作には書かれてるんですよね。登場人物の過去だとか。」
群:「よく歌舞伎みたいだって言われます。筋書きを見つつ、映画を観ると見やすいという感じで。」

どういうところが『かもめ食堂』の魅力ですか?
監督:「主演女優の3人の女優さんが、美しく凛とされてるたたずまいが好きです。」
小林:「おしつけがましくなく、来る人拒まずで、さりげなく、丁寧で、ご飯がおいしいところですね。フィンランドの空気感と日本食とのマッチが気持ちよかったです。幸せな気分になってもらえればいいですね。」
片桐:「とても不思議な映画です。心を開いた感じで、ゆったりと気持ちよく、いろんな人に観て頂けるといいです。」
もたい:「食べて出かけてください(笑)」

(umemoto)

□3月11日よりシネスイッチ銀座、109シネマズMM 横浜ほかにてロードショー
『かもめ食堂 』