鬼才デイヴィッド・クローネンバーグの最新作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」。全米・カンヌ映画祭で大絶賛され、本年度アカデミー賞にも2部門ノミネートされている話題の作品である。

間もなく日本でも公開となるこの作品だが、2/23(木)主演のヴィゴ・モーテンセンとマリア・ベロによる来日記者会見がクローネンバーグ監督の母国であるカナダに因み、カナダ大使館で行われた。

大使館のブリース氏によるスピーチでスタートした会見、
「クローネンバーグはカナダで最も才能のある監督の一人。そして音楽を担当した、ロード・オブ・ザ・リングでお馴染みのハワード・ショアもカナダ出身。カナダの才能が集結した作品の記者会見場に選ばれ光栄です!監督は今回来日しませんが、非常に残念だとメッセージを預かっています」とコメント。

そして主演二人が登場し、インタビューが始まった。
今回が5度目の来日となったヴィゴは
「こうういう会見ではいつも監督が色々話してくれるんだ。でも今日はいないから僕たち二人で頑張ろう!と言ってたんだ。アメリカを含め世界中で素晴らしい反応があった。撮影中は皆見てくれるだろうか?良いと思っているのは自分たちだけでは?と不安があったが、興業的にも大成功しうれしく思っている。」と心境を語った。

日本初来日のマリアは
「コンニチハ ワタシノナマエハ、マリアデス。ニホンダイスキ」と日本語で挨拶し、記者たちを喜ばせてくれた。そして「とても素敵な街、来日できて嬉しいです。撮影のプロセスは本当の意味でコラボレーションという感じ。まるで1つの旅を経験したみたいな感覚で、とても楽しかった。
また、ヴィゴと監督は双子みたい。脳細胞を共有してると思うわ。」とコメントすると、隣のヴィゴは嬉しそうな笑顔を見せていた。

そして映画のストーリーに関してヴィゴは
「映画のラスト、これから2人はどうなるのか?という事はきっと人によって考えが違うのでは。前向きな人、悩みのある人、暗い気持ちの人、その人によって全く違うラストに結びつくと思う。あっでも皆さん、映画のラストは見てない人に言わないでね!」

マリアは「私はものすごくロマンティックなの。だからこの世で一番大切なのは“愛”だと思ってます。恋愛の“愛”だけでなく、様々な“愛”。自分の影の部分、悪い部分も全て含めて抱きとめられる“愛”が持てた時、自分はより良いものになれるのではと思う。心の底にある“愛”というのは常に変わりません。」とコメント。

そして会見の最後にはディオールのドレスを纏った神田うのさんから2人へ花束のプレゼントが行われた。うのさんは「非常に奥深い映画で感銘を受けました。マリアの役は女性として共感しました。理想の女性像を演じていましたよね。そしてヴィゴは男としての強さを見せてくれ、素晴らしい夫婦。私もこういう家庭を築きたい(笑)」と感想を語った。

  (桜井裕子)

★2006年3月11日(土)より、東劇他にて全国ロードショー

作品紹介 『ヒストリー・オブ・バイオレンス 』