香港が生んだ<マーシャル・アーツ>と<香港ノワール>の世界に誇る二つの頂点ともいえる作品が今ここに誕生した。その名も『SPL 狼よ静かに死ね』!今回、PRの為香港映画界のドン、サモ・ハン・この作品では出演とアクション監督も行ったドニー・イェン・そしてジェット・リーの再来と注目をあびるウー・ジンが来日、記者会見を都内で行った。雪の影響で時間変更やサモ・ハンの到着が遅れるなどバタバタするなか、記者会見は始まった。

まず、ドニー・イェン・ウー・ジンの二人が登場。以前日本でも映画制作に関わったことのあるドニーは流暢な日本語で挨拶。初来日となるウーは緊張が見え隠れするも、先輩ドニーと一緒ということもあってか、ぎこちないながらも挨拶を。
この映画の見どころはやはりアクションシーンとあって、アクション監督を務めたドニーと、武術チャンピオンでもあるウーとのアクションシーンは圧巻。アクション監督のドニーは「常に新しいものに挑戦していきたい。だから二人との共演はとても楽しみだった。二人の新しい一面をだせたら。」と思い入れ深く語った。ウーも「大先輩であるドニーが若い私を信頼してくれて、チャンスを与えてくれたことがうれしかった。新しいアクションを目指す中で、理性と感情の間で戦いを作っていった。」という。

さて、ここでサモ・ハンの登場。英語で挨拶するサモ・ハンに会場の多くの男性記者は憧れを抱いたのではないだろうか。司会者が“ちょいワル親父”のようなその魅力はどこからと質問すると、「そんな魅力は私には無いですよ(笑)長年ファンに支えられて感謝しています。俳優・監督といろんな役に挑戦できて嬉しい。そろそろ悪役もと思い、映画の中で悪人になってみました。Thank you.」と我々記者に対しても心配りを忘れない、サモ・ハンの香港映画界のドンといわれる器量を垣間見た気がした。この作品には“父と子”というテーマが隠れているが、“父と子”の関係についての考えをという質問を受けると、サモ・ハンは「子供が幾つになっても温かい家庭というのが、人生最大の歓びだ」と話した。ドニーも娘・家庭が自分の原動力だという。ドニーの話をうなずきながら聞くサモ・ハンの姿に俳優として成功した二人のもうひとつの家庭の顔を見た気がした。また、サモ・ハンにドニーのアクション指導について聞く場面になると、尊敬の眼差しで真剣にサモ・ハンの話を聞くドニーは、サモ・ハンの「いままでのいろんな作品を大事にしつつ、謙虚にワクワクしながら若い人たちからいろんなものをもらっている。」との言葉に肩に手を添え、感謝の気持ちを表していた。30年以上俳優をしてきたサモ・ハンのアクションについては、サモ・ハンとドニー互いに思いやりをもって撮影に望んでくれたと謙遜しあう場面も。二人固く手を握る様子は師弟関係のように見えた。

香港を代表する二人の俳優と、まだまだ頭角を現したばかりの若手実力派俳優。3人の関係は香港映画界の師弟関係のように感じた。男たちの壮大な作品に涙する男も多いのではないだろうか。

(にいざわ あきこ)

3月4日(土)より 新宿オスカーほかにて全国順次ロードショー

□作品紹介『SPL/狼よ静かに死ね 』