歴史の裏に隠された事実をモチーフにパワフルかつ感動的なまでに人間の真実を描いた物語。全米では2005年12月に公開、ゴールデン・グローブ賞に2部門ノミネートされ、社会的な話題となり大きな議論を呼んだスティーブン・スピルバーグ監督最新作『ミュンヘン』が2月4日より公開される。

その中で愛する家族を残し、暗殺チームのリーダーに任命された一人の男、アヴナーを演じるのが今回二度目の来日となったエリック・バナ。
本作に出演するにあたって事件のことを徹底的にリサーチした彼は、今もニュースで流れる中東の事件に関して次のように述べた。
「紛争のニュースなどを聞くと、今までとは違う反応を示すようになりました。三年前にこのお話のオファーを受けてそのときより知識は増えたし、政治的な意見があるというわけではないが興味が一層深まりました」
またスピルバーグ監督については「スピルバーグは天才的だった。ほぼ2年近く準備の期間があり脚本について話合ったり彼とは多くのディスカッションをかわしました。俳優としての直感を彼は奨励してくれるし、彼からのアイデアもとても素晴らしいものだし一緒に仕事ができて本当に良かったです」スピルバーグのことを「子供みたいな一面がある」とも語っている。
「毎日毎日いろいろなアイデアを出していくんです。監督はその場で起こることを期待している。二度と同じことはできないとわかっているのでとにかく撮ってみるんです。全て決めた通りに進めていく監督もいるが、彼はそうではない」
このエリック・バナ演じるアヴナーという男は愛国心に溢れ、テロ事件の残忍さに怒りと悲しみを感じていた。“暗殺”という任務を極秘で行うために家族も祖国も捨てなければならない。『断ると生きてはいけない』アヴナーは引き受けるか悩んだ末、“正義”のため命令に従うことを決める。本作は娯楽として楽しめるスリラーでありながら、テロ行為をしたことにより人間のイノセンスが失われてしまう姿についても描かれている。
「家族は私にとって最も大事。誰でもホーム=家、故郷を求める権利がある。とても大きなテーマがこの映画では描かれていると思います」        
スピルバーグの集大成といえるヒューマン・ドラマ、この超話題作は見ておくべき一本だろう!

(ヨウフマサコ)

★2月4日(土)全国拡大ロードショー

□作品紹介
 『ミュンヘン 』