『たまもの』(05)で一躍、新世代映画の旗手として注目された、いまおかしんじ監督待望の最新作『かえるのうた』。東京・下北沢を舞台に、どこにでもいそうな平凡な女の子たちのいっぷう変わった日々が描かれるている本作は、今を生きる全ての人へ幸せを運ぶファンタジー作品。
1/14、公開を記念して監督、キャストによる舞台挨拶がポレポレ東中野で行われた。
会場は補助席が出るほどの超満員。キャスト陣はその大盛況ぶりに大喜びで、舞台に登場した。
「こんな雨の中ありがとうございます。」といまおか監督のコメントで舞台挨拶がスタートした。
本作は女性2人によるW主演スタイル。一人目の主演女優は「ビタースィート」での演技が高く評価された向夏「忙しい中来てくれてありがとうございます。しかもあいにくのお天気なのに、こんなに沢山の人が来てくれて嬉しいです」
そしてピンク映画期待の新星、平沢里菜子は「見終って、何か暖かいものが皆さんの心に残ってくれたら嬉しいです」と心境を語った。
少々緊張ぎみの吉岡睦雄は「僕は東中野でバイトしているので、そんな所で上演となって感激です。常に気分が高揚する現場でしたが、今も緊張して高揚してます」とコメントすると会場は大笑いとなった。
いまおか作品では“汚れ役”としてお馴染の伊藤猛、川瀬陽太も登場。「2人でいつも汚れ役ばかりやってますよ!今度はどんな汚れ役かな(笑)」と言うと会場は更に笑いの渦に包まれた。
また、いまおか監督は「僕には“川島のぶお”という友人がいましたが、車に練炭を詰めて海っぺりにとめて自殺をしました。以前から彼と僕の話を作ろうと思ってたのですが、そのまま川島さんの話といのは自殺の事があまりにも辛くて… しんどいなと思い、それで男性を女性に変えたり、設定を少し変えて、この内容にしました。」と本作が生まれたきっかけを淡々と、しかし熱い思いで語ってくれた。
最後に監督は「この時代、携帯を切る事は映画館くらいしかないですよね。でも携帯が無い時間というのは良いものです。そんな思いを届けたい」とコメント。

そして公開日の今日1/14は主演の向夏の誕生日。サプライズでケーキのプレゼントとがあり、会場全体で彼女の誕生日をお祝いするという場面もあった。

監督・役者陣の暖かさを感じる、アットホームで幸せな気分を運んでくれるような舞台挨拶だった。

 (桜井裕子)

☆2006/1/14よりポレポレ東中野で公開
作品紹介 『かえるのうた 』