「ゲルマニウムの夜」舞台挨拶に、大森南朋さん・大森立嗣監督ご兄弟登場!

上野・東京国立博物館敷地内にある「一角座」で、「ゲルマニウムの夜」が上映され始めてもうすぐで1ヶ月になる。もう観に行った方にとってこの作品は、各個人個人の中でどのような位置づけにあるのだろうか。私はこの作品を観て“啓蒙”という言葉がぴったりなのではないか、と思った。無知な者に叡智を授ける優しい光が、この作品には満ちていると感じるからだ。
本編の中で大森南朋演じる宇川は、社会の弱者としての役割を担っている。「寄らば大樹の陰」を実践する彼の姿には誰しもが共感する。また、人を信じることは愚かなことだとも、彼の姿は教えてくれる。この役を演じるにあたって、大森南朋は「この役をやることに戸惑いはなかったです。」と話す。兄である大森立嗣監督は、「この役を南朋にやってもらうかはすごく迷うところでした。でも荒戸さんに『南朋に悩ませろ』と言われたので南朋に台本をぽんっと渡したら、すっかりやる気だったので(笑)。やってもらうことにしました。」とキャスティングの裏話を、明かした。
舞台挨拶終了後、開場ロビーでご兄弟によるサイン会が行われた。観客は公式パンフレットにサインをしてもらい、感想などを述べたりするなどし、和やかなムードが開場には残った。今後も、毎週土日祝日にはサプライズゲストが一角座を訪れる予定となっている。

Japan Timesでも本作品は取り上げられていたため、早くも海外からオファーがきているとのこと。今、一角座が一丸となって角先を向ける日本映画界に風穴を開けるがこどく、世界にもまた新たな風穴を開けてもらいたい。

(ハヤシ カナコ)
上野・一角座にて公開中。

◇作品紹介◇
『ゲルマニウムの夜 』