シネセゾン渋谷20周年記念イベント『東京ゾンビ』特別先行上映&佐藤佐吉監督/原作者:花くまゆうさく 夢のトークショーイベント!
今までの常識を越えたとてつもない映画がやって来た!
アフロとハゲのキャラクターが大活躍する、花くまゆうさくの人気漫画「東京ゾンビ」がまさか!まさか!の実写化を果たしてしまったのだ。
しかもアフロには浅野忠信、ハゲには哀川翔と、ちょっと考えられない井出達での豪華キャスト。そしてメガホンと取ったのは日本映画界きっての鬼才、佐藤佐吉。
地味な柔術で強い男になる事を夢見ていた二人が、東京を埋め尽すゾンビと戦う事になってしまう… ゾンビVS柔術家 という世界初の物語。
この秘密に迫るべく、12月8日(木)渋谷シネセゾンで特別先行上映&佐藤監督・原作者:花くまゆうさくによるトークショーが行われた。
元々原作者、花くまゆうさくの大ファンだった佐藤監督。常連のマッサージ治療院に偶然にも花くまゆうさくも通っている事を知り、院長にお願いし紹介してもらったのが交流の始まりなんだそう。
その後、花くま氏が「東京ゾンビ」を映画化したいという事を聞き、是非自分に!とリクエスト。そしてこの奇跡のタッグが生まれたのだ。
佐藤監督は「漫画に忠実 漫画通りにやるのが僕のポリシーでした。文句言われたらその時考え様かなと。でも映画の後半部分にプロデューサーが文句を言ってきたんですよね(笑)。マニアックすぎると。なのでそこは変えました。
原作は子犬が登場するんです。でも子犬、こいぬ、コイヌ… コギャル!」と思いついて、コギャルにしたんです。」と監督しか思いつかないようなアイディアを暴露してくれた。
自分の作品が漫画化された事について花くま氏は 「ゾンビはすごく可愛くて、他の作品とは別バラ、というか、自分のエネルギーを注いだ作品で思い入れがあるんです。だから映画化が決定してすごく嬉しかった。でも本当にヤレルの?と疑問も… でも、やって下さい!って感じでした。漫画も愛しいが映画も見るたびに愛しさが増してきます」
キャストについて佐藤監督は 「浅野さん、哀川さんには仲良いんだから自分でアプローチしてね!と言われてね。いいんだけれど… アフロとハゲでしょ、僕との関係にヒビが入るか不安だったよ(笑)でも二人とも共演に喜んでくれたんだ。」
その夢の共演を聞いて花くま氏は 「接骨院で二人が決定した事を聞いたんですよ。ビックリしましたね。ポーカーフェイスを装ってましたが、体中ビリビリしてました! 浅野さん、哀川さん、佐藤監督と皆以前カンヌに行ってる人だから、僕も行けるの!?と期待したりしてね」
ゾンビについては二人とも同じイメージを持っていたそうだ。それは1978年にジョージ・A・ロメロ監督による「ゾンビ」。強烈なイメージを幼少期に飢えつけられたという花くま氏は 「今まで全くゾンビと接点が無かった人達が突然ゾンビになれ!と言われ、自分なりに四苦八苦してゾンビを演じるというのは面白いな〜と撮影中思ったよ」と満足そうに語っていたのが印象的だった。
さて,最後に見所は?という質問には
「テレビ東京の昼間放送している映画、みたいな感覚で楽に見てください。
それと、花くまさんが2個所出演してます。1つは分かりやすいけれど、もう1つはどうかな…」と佐藤監督。
花くま氏は 「男は皆中学生時代の頃の気持ちを持ち続けていると思う。そんな男性がが見たらきっとグッとくる作品です。
昔日本のお正月には『トラック野郎』という映画がありました。でも今は無い…(悲しそうに発言)この『東京ゾンビ』はそんな『トラック野郎』になります。日本の正月は『東京ゾンビ』で」とコメント。
ゾンビとトラック野郎が大好きな少年時代だった、花くまゆうさく氏は不思議な雰囲気の持ち主。テンポやリズムも独特で普通に話していても、クスクス笑いを取ってしまう天性の才能がある、そんな人。
そして佐藤佐吉監督は、淡々と、黙々と喋るのだが、優しい、とても暖かい雰囲気が伝わってくる。時々大笑いするその笑顔がとても素敵な監督だ。
そんな二人のナチュラルトークに会場は大いに盛り上がり、笑いの絶えないトークショーだった。
(桜井裕子)
★ 2005年12月10日 シネセゾン渋谷ほか全国順次ロードショー
初日は監督・キャストの舞台挨拶も予定されている。
作品紹介 『東京ゾンビ 』