パンチの利いた映画が登場!ドイツ、アメリカ、韓国、イギリスなど各国のいくつもの映画祭にて上映され、常に観客にショックを与え続けてきた『花井さちこの華麗な生涯』。
 イメクラ嬢のさちこは、某国工作員の発砲事件に巻き込まれて流れ弾を受け、額にぽっかりと穴が空いてしまう。それをきっかえに彼女は天才的な頭脳を手に入れ、やがてある陰謀と対峙することになる。鍵となるものは、“ブッシュ大統領の指”‥!??

 監督は、文化庁の新進芸術家留学制度の研修生として赴いた一年間のNY留学から先頃帰国したばかりの女池充(めいけ みつる)監督。もとはピンク映画として製作されたものを90分のディレクターズカット版として編集・追撮したこの衝撃作。ついに日本での凱旋ロードショーがスタートし、26日(土)、ポレポレ東中野にて舞台挨拶が行われた。登壇者は、監督、黒田エミさん、伊藤猛さん、螢雪次朗さん、中野貴雄さん。

 冒頭、「K総理にぜひ本作を観て頂きたい」と監督自らが党本部に電話をかけた映像が流され、のっけから会場は笑いが溢れる。監督は「2年前に撮影したものですが、それをインターナショナルバージョンと“でっちあげ”てみました。夏のぴあフィルムフェスティバルの上映には立ち会えなかった。今回は、自分が居る場で批判されようと思います(笑)」と挨拶。さちこを演じた黒田さんは「がんばったので、みてください」とにっこり。伊藤さんは「この映画では非人道的な扱いを受けました(笑)。洞窟で飲まず食わずの生活を強いられ‥」などと切々と語るが、「え、そお?」という感じの監督の表情の対比が可笑しかった。螢雪さんは「今時、貴雄の脚本でやるピンク監督がいるのかと驚いた。現場の様子を見ると、女池監督は、アキバ系映画オタクかとんでもない天才監督のどちらか。判断はお客さんに任せますよ(笑) 監督には、映画の武器となるエロとギャグと暴力をたくさん盛り込んだ毒のある作品を作っていって頂きたい」と熱弁。脚本を手がけた中野さんは、もう嬉しくて楽しくてたまらないという様子で、ひたすらギャグをとばし客席を沸かせていた。
 その後、速見今日子さんやブッシュ大統領(久保新二さん)など大勢の出演者が登壇。顔ぶれ豊かな公開初日となった。

 女の池−−そのお名前からしてみても、女性というものを撮るには突出したものがあるのかも?と今後も期待せずにはいられない女池監督が贈る“華麗な”映画。とにかく、笑っちゃってください。(Miwa Muramatsu)

■2005年11月26日(土)より、ポレポレ東中野にてレイトロードショー!
 公開中、トークショー等イベントを多数予定しています。
 詳しくは劇場HPにて!http://www.mmjp.or.jp/pole2/

□作品紹介 『花井さちこの華麗な生涯 』