「バトル・ロワイヤル」「リンダ リンダ リンダ」「最終兵器彼女」などで主演を務め、実力人気とも評価の高い前田亜季の主演最新作「孕みーHARAMI 白い恐怖」の舞台挨拶が、11月19日夜渋谷シネ・ラ・セットで行われた。
監督は常々ホラー映画に挑戦したかった、と話す田尻裕二監督。「ただの恐怖だけでなく、なにかを感じ取ってお帰りの際に持ち帰っていただければ幸いです。」と会場いっぱいの観客に静かに語りかけた。
各出演者達は「白い雪の世界と赤い血が織り成す世界の美しさをたっぷり堪能してください。」「人間の残虐さと対比して映し出される自然界の圧倒的な強さを感じてほしい。」などと、作品へのこだわりを話した。最後に、現在ボストンに語学留学中の前田亜季さんからのビデオレターが公開され、「今日来ていただいたみなさん、本当にありがとうございます。17歳で妊娠するという難しい役どころだったのですが、周りの暖かいスタッフ・出演者の方々に支えられ、なんとか演じきることができました。たくさん怖がって、そして楽しんで観てください。」と話し、内容とは打って変わって和やかなムードだったであろう撮影現場を想起させた。

大雪降り注ぐペンションで、妊娠中のゆい(前田亜季)は、両親と一緒に出産を迎えるはずだった。そんな折、ゆいは近所に住む盲目の大男・坂田(矢口壹琅)に強い興味を抱いてゆく。なぜか彼だけが自分の気持ちを理解してくれるような気がしたのだった…。そして、ゆいと坂田のある会話が、ストーリー展開を激しく揺さぶり、誰も想像のつかない展開へと話は進んでいく。そこには、人間という“バケモノ”の狂気が蠢いていた。

女優として新たな道に挑戦した前田亜季と、ピンクからホラーへの転進をはかった田尻裕司監督のクロスロードが織り成す“新”恐怖の世界にいざ・・・

(ハヤシ カナコ)

11月19日〜12月9日まで渋谷シネ・ラ・セットにてレイトロードショー

□作品紹介□
孕み-HARAMI-白い恐怖