東野圭吾原作『変身』 待望の映画化!初日舞台挨拶 開催
1985年、江戸川乱歩賞を受賞した「放課後」でデビューして以来、小説からコミックの原作まで、ミステリーの枠を超えた多彩な作風で読者ファンの熱い支持を集めてきた東野圭吾。これまでに「秘密」「g@me」「レイクサイドマーダーケース」など数々の作品が映画化、ドラマ化されている。
そして今回、91年に刊行された「変身」—(脳移植によって他人に人格を支配される青年の苦悩を描きつつ、純粋な愛の形を追求したラブ・ストーリーの傑作)が遂に映画化される事となり、11月19日(土)に監督&キャストによる初日舞台挨拶が行われた。
登壇したのは成瀬純一役の玉木宏さん、葉村恵役の蒼井優さん、橘直子役の佐田真由美さん、京極瞬介役の松田悟志さん、佐野智樹監督。
本作が監督デビュー作となった佐野監督は超満員の劇場を見て、「色々あって時間がかかった作品ですが、俳優とスタッフに恵まれこうして初日を迎えられ幸せです。」と語る。
またキャストについては、「玉木くんと蒼井優ちゃんが核になってる物語なので、そこをどう描こうかと非常に悩んだし気にかかったが、玉木くんはとてもよく考えて現場に臨んで来てくれたので助かったし、それを受けて優ちゃんが1歩1歩成長していく恵役をしっかりやってくれた。」と褒め称えた。他のキャストに関しては、「松田くんはセリフが1言もないのに顔の表情だけでよくやってくれたと思うし、佐田さんは単なる感じの悪い女じゃない直子の役にちゃんと答えてくれた。」と印象を語ると、「あまり表情の事は意識してませんでした。セリフも1言も喋らないという事ですが心の中では色々喋り続けてましたね(笑)」(松田)、「彼女(直子)は自分なりに一生懸命生きてる人だと思います。言葉でなく気持ちで表現し、クールでポーカーフェイスな感じを出しながら演じましたが自分にはない部分なので大変でした。」(佐田)とそれぞれ語った。
また撮影中1番の苦労点について聞かれた蒼井さんと玉木さんは「やっぱり最後の泣きのシーンですね。ずっと泣きっ放しで頭がクラクラしちゃって(苦笑)」(蒼井)、「単に二重人格ではない、移り変わっていく感情っていうのを表現しなきゃいけないというのに大変苦労しました。順番に撮って行くわけじゃないので難しかったです。あとは、撮影の前に感情が移り変わる前と後での脳の割合を計算したりするのが難しかったですね。本当の自分の脳と移植された他者の脳という事ですね。」(玉木)と撮影当時を振り返った。
そして最後にキャスト皆で1言ずつ挨拶。
佐野監督「一途な想いを受け止めた蒼井優ちゃんの最後の演技に感動して頂きたい。」
松田「お金のばらまきシーン(劇中に登場)の撮影場所はすぐそこです。実際に200万を使いましたが3万がまだ見つかりません。僕が疑われてしまうので、見つけたらすぐに拾って届けて下さい!(笑)」
佐田「それぞれの人が、それぞれの気持ちを持って楽しんで頂けたらと思います。」
蒼井「本作を気に入ってくれたらぜひ周りの人に教えてあげて下さい。この作品をもっと沢山の人たちに愛してもらえればと思います。」
玉木「本作を観て、もう一度大切な人の存在を考えられるキッカケになればとても嬉しく思います。」
ぜひあなたも大切な誰かと観に行ってみてはいかがですか?
すぐ隣にいる、その人の存在の大切さに改めて気付かされるはず。
(Naomi Kanno)
※2005年11月19日より、CINE AMUSE EAST&WESTにてロードショー
◇作品紹介
『変身 』