11月12日新宿武蔵野館にて「パープル・バタフライ」のオープニングトークショーが、今作品で伊丹を演じた中村トオルさんを招いて行われた。現在、世田谷パブリックシアターで「偶然の音楽」の主演もなさっているので、少々お疲れの様子でしたが、作品について聞かれると、ひとつひとつ慎重に静かに語り始めた。
「この作品は10年前イスラマバードの車内で小説を読んでいました。そして監督から出演の依頼を受けたので、快くお受け致しました。共演したツィイーは、高熱を出していても、それもまわりに気づかせないようにしていたほど映画俳優として素晴らしい人でした。ぼくに中国人の先生がついているように、彼女には英語の先生がついていたんですが、撮影時は丁度ワールドカップの時だったんです。で、たまたま中国対ブラジルの試合を見ていたときの、ツィイーの英語の野次が面白くて(笑)そんなチャーミングの一面も持ち合わせているんです。」と、撮影中の様子を明かしてくれた。

1930年代初頭の上海—満州で出会って恋に落ち、国の争いに引き裂かれ、上海で再会したシンシア(チャン・ツィイー)と伊丹(中村トオル)。それはもう愛し合えない立場同士での再会だった…。時代の大きな渦に巻き込まれていく恋人たちを描いた本格的なラブ・サスペンスムービー。
2003年、第56回カンヌ交際映画祭に出品され、海外で高い評価を得た今作品がいよいよ日本公開!今までにない映画の風を感じて、なんとも言えないラストについて貴方なりの答えを出してほしい。

(ハヤシ カナコ)

◆パープル・バタフライ◆
パープル・バタフライ