終わらない拍手
止まらない涙
静かな感動に心が震える

映画界で今、昭和ブーム(?)となっている中、本作『カーテンコール』も11月12日に初日を迎えた。
この作品は、映画黄金期の昭和を舞台に、映画と映画の幕間(まくあい)に形態模写をやったり、ギターを弾いて歌を唄ったりして、お客を楽しませる一人の幕間芸人の人生を紐解く旅の物語。

初日舞台挨拶に登壇したのは、伊藤歩、鶴田真由、藤村志保、井上堯之。

伊藤:「天気も良くなり、皆さんにこうして来てもらえとても嬉しいです。私は出版社のライター役で、1通の手紙を受け取ったことによって1人の芸人の人生を追って取材をしていくんです。家族や友の大切さを感じられる映画だと思います。この映画が皆さんにとって大好きな作品になればいいな。」

鶴田:「私の役は、幕間芸人の娘役です。小さい頃、置き去りにされて父親を憎んでいる。とても辛い人生を歩んできたこの役を、監督とも話し合った結果、笑えなくなってしまった女性にしようという事で頑張ってそれに務めました。佐々部監督は芝居をやりすぎるのを嫌う監督なので、芝居を抑えるという事がとても難しかったけど楽しかったです。」

藤村:「私は映画館のもぎりの役です。映画が大好きで何十年も映画館を見守ってきた私の役は、この映画の中で案内人のような役割を果たしています。佐々部監督の熱い想いが溢れている映画で、本作に参加させてもらい嬉しく思います。」

井上:「私は鶴田の父親役を演じました。それが大変嬉しく、現場でどうしたら良いのかと(笑)。空気がスクリーンに反映すると監督が言っていましたが、この映画には全体的に温かい空気が流れていますので、それを感じて頂けたらと思います。」

登壇者の挨拶後、本日都合が合わずに来場できなかった藤井隆と佐々部清監督からのビデオレターが読み上げられた。
藤井隆メッセージ:今日はそちらに出向けず本当にごめんなさい。本作は去年の夏に撮影をして、監督はじめ多くの方々に支えられながら頑張ったのを覚えています。ぜひ2度、3度観に来て頂き、お家に帰ったら親戚や友達に『カーテンコール』のお話をしてあげて下さい。宜しくお願いします!

佐々部清監督:今日はお越し頂きありがとうございます!本作は、子供の頃から憧れていた日本映画にリスペクトの想いで作った作品です。どうぞ楽しんでいって下さい。

その後、本作を観て感動し、北九州から本作の宣伝をしながら自転車で東京までやってきたという青年・樽見さんが登場。樽見さんは「今さっき着きました!」と少しの疲れの表情も見せず笑顔。司会者から、“軽快な足取りですね〜”と言われると「いや、あちこち筋肉痛で…(苦笑)。大変でした。僕は先行上映でこの『カーテンコール』を観て大変感動し、ぜひ応援したいと思ったんです。」と語った。
樽見さんは自転車に「映画『カーテンコール』応援中」の、のぼりを立てて自転車で1日60km〜80km、北九州から東京まで約1250kmを約20日間かけて移動。下関通過の際には、現在新作『出口のない海』(松竹:来秋公開)を撮影中の本作監督、佐々部監督にも激励を受けたという。

また、公開を記念して、映画に感動した青梅市の看板絵師・久保板観さんが本作の「絵看板」を作成し完成。シネスイッチ銀座にこの絵看板が飾られるなど、数多くの人達の心を動かし、その結果多くの人達の協力を経て初日を迎えた本作『カーテンコール』は、2005年11月12日からシネスイッチ銀座、シネマミラノほかで全国ロードショーされる。
今後ますます本作『カーテンコール』感動の渦は広がりを見せる事だろう。

(Naomi Kanno)

◇作品紹介
カーテンコール